第1章 洛陽と丞相

第1話、歯車が動き始める

0話から続きです。


「占いも間違いもあるもう一度してみるか」

綸巾を置き男は、再び薫香をとり今度は、普通に置き始める。

コト、コト、コト

出来上がるのは後から長くなる薫香の波

「水鏡先生は、私に時が足りないとおっしゃったが流れが変わりつつあるなやはり」

「何が変化をもたらした?」

すると部屋の扉が開く「孔明ここにいたか」と言いながらいい感じにヒゲを蓄えた知的そうな男性が入ってくる

すると綸巾を被り男が拱手をして男が迎える「我が君呼んでいただければ、私から参りましたのに」「かまわぬよ急ぎであり急ぎでないゆえ」「何をなさっておられたのかな?」

と男が卓を見ると「占っておられたのか?何を占われた?」「私の命数に変化が生じましたので我が君の命運に影響がないか確かめておりました」「そうか決果はいかがだった?」「我が君の望む結末になる方向で事が運びつつあります、また西蜀に向かう頃に、我が君には大切な出会いがおとづれる予兆があります」「出会いとな?それは誰かはわかるか?」孔明は羽扇を仰ぎながら答える「4人ですね、1人は我が君にゆかりのあるものです、残りはわかりません」「そうかそう聞くと私の先もまだ捨てたものでは無いな」と男は笑う「孫劉連盟さえなれば問題はありません」「しかし孔明」「そなた1人で呉までの道のり本当に大丈夫か?」「問題ありません」「しかし我が君がご心配くださるのであれば」「子竜をお迎えに寄越していただければ大丈夫です」「そうかしからば子竜にその旨を伝えお主の思うようにせよ」「承知しました」

話が済むと劉備は孔明の部屋から出ていった。


洛陽丞相府周辺

「丞相のおそばには少々血の気の多いのもいますので振る舞いにはご注意ください」

と徐庶が警告すると横から許褚が「心配はいらん何かあれば自分の身を守られよさすれば丞相がうまくお取りなしなさる」豪快に笑いながらいう、「ですが穏便に住めばそれほど楽なことはありませんよ」と徐庶はため息をつきながらいう。

丞相府入口

「お待ちしておりましたぞ八雲殿」「荀彧殿わざわざ出迎えありがとうございます」と八雲は拱手で礼をする。「いえ万が一の配慮です」「荀先生それでは失礼します」「徐庶殿ご苦労様です」

と徐庶は荀彧に声をかけるとそのまま去っていった。

侍従「八雲殿御到着」

すると荀彧と許褚が先頭に中に入っていく。

「丞相に拝謁いたします」と許褚が拱手し荀彧が「丞相お連れしました」と拱手する

「丞相に拝謁いたします」と拱手し頭を下げると「膝をつき挨拶しないのか?礼儀知らずめ」と鎧を着て体験していた男が罵倒しながら八雲に近寄ろうとすると「張郃それくらいにしておけ、八雲はワシの恩人だ」と張郃という将軍を曹操が嗜める。

「八雲よよく来たな」「そのままでいいからワシと共に宮中にいくぞ天子に拝謁させてやる」と満面の笑みで曹操はいうすると「丞相百官に侮られませんか?」「かまわぬ八雲の価値を見せるまでよ」「承知しました」「よし八雲いくぞともに馬車にのれ」と曹操が手招きしながら八雲を誘う「はい丞相」と八雲は早々の馬車に乗る。

宮中

「皇帝陛下に拝謁いたします」と曹操はいかにもわざとらしく拱手すると

皇帝はおどおどしながら「丞相楽にされよ」と丞相の椅子を示すと

曹操は腰掛け「陛下こたび私の命を救ってくれた猛者を紹介いたします、陛下をお守りする上でも大きなお力になるかと思いますのでぜひお会いください」

「ほうでは呼んでくれるか?」「八雲よ入るが良い」「御意」

八雲が答えると、八雲は漢の皇帝の前で膝をつき「皇帝陛下に拝謁いたします」と八雲は拱手をすると百巻が「なんと無礼なと」小声でボソボソと言い始めると「陛下このものは八雲といい話あれわれの知る漢の領土の外から参りました物ですので、こちらでの礼儀にあまり詳しくありませんご無礼をいたしました」「いや良い、八雲といったか周りは気にしなくても良いこれからは天下無礼御免であるそなたの知る礼儀で対応せよ」「ありがとうございます陛下」「陛下よろしいのですか?」「問題ない」「承知しました」「聞いての通りである」「八雲は皇帝陛下より天下無礼御免が許された八雲は、自らの知る礼儀での対応を許可する」「ははー」と八雲は頭を下げる、「所で丞相八雲は猛者と申したな」「はい」「こやつと誰かを試合させてくれぬか?」「実力が見たい」「承知しました」「誰か」「ここに丞相府に行き御前試合をする準備をさせよ」「御意」と侍従が頭を下げると退出する。

「八雲よ猛者だとわかれば、そちが右将軍に任じようと思うがどうだろうか丞相」「良きお考えかと」「ではそのように頼む」

「ではこれにて評議は終わりとする」「御意」

すると太鼓がなると百官は退席していく。

「八雲よ参るぞ」

「はい」

返事をすると曹操は歩き始める。

「ややこしい話だが、お前にはしんどいが3人の相手をさせる、曹彰・曹仁・張郃だ」

「猛者や身内が多いですね丞相」「その方が良い許褚だと話がややこしくなるでな」

「了解です」

ある宮殿内をある程度歩くと行く際に乗った馬車が見えてきた。

「だが問題はお主だ」「お前が戦うところは見たことがない」

「ですね」「とりあえず許褚に実力を測らせるから丞相府に戻るぞ」

「はい」

宮殿を後にして丞相府に向かう。

丞相府調練場

「まさかお主の相手をすることになるとわな」「私も意外でした」

「好きな武器を使え遠慮はいらん」「わかりました」

八雲は槍を取る。

「まずは槍か?」「はい槍と剣と薙刀を」「よしやるぞ」

「よろしくお願いします」

すると八雲は走り出し、中段から石突きでいきなり許褚の頭に鋭い打撃を与える

ゴツ

少し驚いた様子で「やるな」「だが速さはあるがパワーは足りぬな」「では」連続で八雲は許褚に槍で突きをかましていくが、「筋はいいが槍ではないなお主の武器は」と全て薙刀で捌いていくと途中で止め「他を試してみろ」と薙刀と槍を指差す「じゃあ薙刀で」「良かろう」

八雲は薙刀に持ち替え再び許褚に走り出していくと頭の中に「薙刀の適正確認」と好みの女性の声が響くそしてふいに神様らしき人の「一応死なないように身体能力底上げしといたから」という電話を思いだす。少し上の空になりつつあると「遅い」と鋭い打撃を許褚にお見舞いされる。

「ぐへっ」と情けない声が漏れる「何を考えていた?俺を前にいい度胸だ」と少し表情を変える

「すいません将軍丞相とお会いした時の現状をまた思い出したので」「そうか」「続けるか?」

「お願いします、師匠」「!?」少し照れつつ驚きながら許褚は「よかろう弟子よ」とノリながら八雲に近づいていき薙刀を全力で叩きつけてきたので瞬時に薙刀で八雲は受け止める「本当に人間ですか?師匠」すると「お前もワシの全力投球を受け切れるところを見ると関羽や張飛じみたところがあるな」「褒め言葉ですか?」と鍔迫り合いをしながら許褚に話しかける「少なくとも今の数合を全てうまく扱えたら曹植様や曹仁くらいはなんとかなるだろう、張郃も上手く凌げるはずだ」と薙刀を払い再び打ち込んでくる許褚

14合ほど打ち込みあいを続けると許褚が「次だ最後に剣を」「はい」

と許褚に促され剣をもつ八雲

「最後だ」と薙刀を置き訓練用の剣をとる許褚「さて剣はどれくらいだ?」と素早く近づいてくる許褚大上段の剣撃を避け、連続攻撃を避けながら中段から数撃をかましていく、

すると「お主は薙刀と剣だそれ以外はせいぜい弓を鍛える程度にせよ」といいながら八雲の一撃を受け止めながら話す、すると拍手が扉の外から聞こえる「許褚よなかなか悪くない試合であったぞ」と曹操は笑いながら近寄ってくる。

「できはどうだ?」「私ならともかく、曹植様や曹仁や張郃ならなんとかなるかと」「戦ではどうだ?」「人を殺すことになれさえすれば、敵であれば趙雲味方であれば張郃や徐晃くらいは戦えます丞相」「ほう、お主にそこまで言わせるとはな」「八雲よ、お主はこれから荀彧や徐庶に学問を習い、定期的に許褚に剣術を習え、客ではあるが一流の将になれるようにはげめ」「わかりました丞相」「よしでは休め」

そういうといつのまにか荀彧が「八雲殿屋敷までお送りします」とそばにいた。

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