1024. やはり広げようがなかったショート×ショート
【バランス】
(練習前・談話スペース)
有希
「ひぃぃぃぃん……! どうしてぇ゛ぇ……゛!!」
琴音
「ゆ、有希さん、気を確かに……」アワアワ
陽翔
「お疲れ……え、有希どうした? なんで泣いてる?」
愛莉
「あー、えーっと……まぁいっか。さっき更衣室で体重計ったら、それで」
陽翔
「太ってた?」
愛莉
「気にすることないと思うけどね。今でも全然細いし」
有希
「違いますっ、全然違うんです! だって5キロですよっ!? 春からたった数か月で! うぅっ、こんなにハイペースで増えたこと無かったのにぃ~……!」
琴音
「しっ、仕方ありませんよ、日々の練習で筋肉も付いているでしょうから……それだけ有希さんが努力したということです。恥じる必要は」
有希
「でもっ、5キロは致命傷なんですっ! シルエットが全然違うんですッ! 琴音さんみたいにおっぱいだけ大きくなるわけじゃないんですよ!? わたしはお腹周りに来てるから問題なんです!!」
琴音
「そう言われましても……っ」←身に覚えがある
陽翔
「意外やな。有希って気にするタイプなのか」
愛莉
「まぁ女の子だし……スポーツ始めるとどうしてもね」
陽翔
「元が細いしちょうどええ塩梅や思うけどな」
有希
「要りませんっ、努力の結果だなんて、そんな甘い言い訳は……! 分かってます、分かってますよ理由なんて!! ラーメンの食べ過ぎに決まってます!」
愛莉
「あ、そっち?」
有希
「バイトの後はお腹が空いちゃうから、どうしてもまかないを……! 店長さんは悪くないんですっ、わたしだけが悪いんですよぅぅ……!!」シクシク
陽翔
「まぁそれはなぁ……むしろ毎日のように付き合わされとる聖来が太らんのが謎やわ。慧ちゃんは筋トレで消化しとるから分からんでもないけど」
有希
「…………はへっ?」
陽翔
「いやだから、まかない我慢すればって話」
有希
「……ひっ、廣瀬さん、いつからそこに……!?」ガタガタ
陽翔
「いや割と序盤から……有希?」
有希
「――いやああああ嗚呼アアアアああアアアア!!!!」ダダダダダダッッ‼
陽翔
「ちょっ、おい有希どこへ!?」
愛莉
(すっごいスピード……しかもフォームが安定してる……成果は出てるみたいね)
琴音
(私ももっと鍛えた方が……)ムニムニッ
【ほとばしる】
(練習後・談話スペース)
慧ちゃん
「うー、疲れたっス~……」グッタリ
ミクル
「終焉へ誘いしペインロード……ッ」グッタリ
陽翔
「おい、そこの臭せえヤツ二人。汗だくのままソファーで寝んな。はよシャワー浴びろ」
慧ちゃん
「なっ、なぬぅっ!? 栗宮ちゃんと同類扱いは勘弁っス!」バビューン‼
ミクル
「おい貴様どういう意味だッ!?」バビューン‼
陽翔
「動けるならさっさと行けや……ほれ、真琴も」
真琴
「え。あー、うん。そーだネ」
陽翔
「……なに? 近くね?」
真琴
「そんなことないでしょ……うーん」
陽翔
「んだよ」
真琴
「兄さんってさ……あんま汗搔かないタイプ?」
陽翔
「いや別にそんなことは」
真琴
「おかしいな……普通あれだけ動いたら、誰でも汗臭くなる筈なのに。近くに居てもあんまり不快感とか無いんだよね」スンスンッ
陽翔
「あ、そう。ありがと」
真琴
「更衣室とかいっつも凄いんだよ。もうムワァ~っとしてて、男の幻想全部ぶち壊しにする勢いでさ……うん、やっぱり匂わない……」スンスンッ
陽翔
「嗅ぐなって。変態みたいやぞ」
真琴
「ハァ? 別に普通でしょこれくらい。そっちこそキモいこと言わないでよ」スンスンッ
陽翔
「いや状況見ろて状況を」
瑞希
「おっつー。あれ、なにしてんのマコ。はつじょーき?」
真琴
「いや違いますって……瑞希先輩はどう思いますか? 兄さんの体臭。なんか人と違うなとか思ったりしません?」
陽翔
「話変わってね?」
瑞希
「べつにフツーっしょ。あー男クセぇ~ってカンジで」
真琴
「……え、そうですか?」
瑞希
「いっつも匂うとかじゃないけど、動いた後は別に人並みっしょ。今だって……うむ、ヨユーでくさい!」スンスンッ
陽翔
「嗅ぐなってお前も」
真琴
「あれぇ? おかしいな……」
瑞希
「えー。マコってこーゆーの好きなんだ~」
真琴
「ハッ? いやっ、べ、別に好きとは一言も……!」
瑞希
「たまーにいるよね〜、オジサンの加齢臭が性癖だってゆー女の子……ふぅぅ~ん、へぇ~~、そうなんだぁ~~?」ニマニマ
真琴
「ちっ、違いますって!? 兄さんが良い匂いなだけで、そーいう趣味とかは!?」アセアセ
瑞希
「でも好きなんでしょぉ~?」
真琴
「~~~~っ!? しっ、シャワー浴びて来るッ!!」ダッダッダ
瑞希
「きゃ~わいいのぉ~♪」
陽翔
「お前が一番オッサンくせえ」
瑞希
「んふふぅ♪ ゆーてあたしも結構好きだよっ? ハルの匂い♪」
陽翔
「へーへー、ったく、よう言いますわ…………ん、あれ。俺のタオルどこ行った?」
瑞希
「首掛けてたやつ?」
陽翔
「どっか行った」
瑞希
「いまマコが持ってったじゃん」
陽翔
「えっ」
【検索履歴】
(やはり練習後・談話スペース)
ノノ
「あー疲っかれたァ……帰りたくねー」ゴロゴロ
陽翔
「パンツ見えとるで」
ノノ
「見せつけてま~~す」ゴロゴロ
陽翔
「誰か通ったらどうすんねん……」
ノノ
「む。なんか踏んだ」
陽翔
「スマホ?」
ノノ
「これは……愛莉センパイのですかね?」
陽翔
「ぽいな」
ノノ
「練習前にここで弄って忘れた感じですかね……むふっ、中身見ちゃお」
陽翔
「殺されてえのかお前」
ノノ
「まだシャワー浴びてたし大丈夫ですよ~♪ さぁーて、パスワードはーっと……」
陽翔
「んな簡単に開かへんやろ」
ノノ
「どうですかね~。愛莉センパイのことだから、きっとセンパイの誕生日とか……違う。マジか」
陽翔
「やめとき。無駄な努力やって」
ノノ
「え~!? 見たい見たい見たい~~!!」
陽翔
「駄々こねんなパンツ見せんな」
ノノ
「なんかヒントくださいよ~! 二人の記念日とか!」
陽翔
「記念日言うてもな……」
ノノ
「じゃー、はじめてえっちした日とか?」
陽翔
「ホンマにそれやったら説教してくれるわ」
ノノ
「で? でっ? 何日ですかっ?」
陽翔
「やだよ言わねえよ」
ノノ
「そっか、修学旅行の次の日だから……三月の~」
陽翔
(全員にバレとるのキッショいなぁ~……)
ノノ
「あ、開いた!」
陽翔
「はい説教」
ノノ
「いやぁ愛莉センパイも女の子ですねぇ~むふふふふっ♪ ほんじゃまずはぁ……アルバム、いや、検索履歴ですね……!」
陽翔
「珍しいとこ行ったな」←ちょっと興味ある
ノノ
「まぁ写真はアレなんで……」←例のグループラインにしょっちゅう貼られるので割と見慣れている
陽翔
「せやな。流石にアレか」←加入間もないので何も知らない人
ノノ
「検索履歴、それは全人類共通のトップシークレット……! その人の隠れた内面を知り得るに、これほど有益な情報はありません!」
陽翔
「得てどうすんねんって話やけどな」
ノノ
「そりゃ脅しますよ色々と」
陽翔
「真顔でそーいうこと言うのやめりん?」
ノノ
「おっ、これですね。どれどれ……」
陽翔
「ったく、知らへんで」←ちゃっかり見る
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ノノ
「見なかったことにしましょう」
陽翔
「…………うん……」
ノノ
「頭抱えないでください貴方の責任です」
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