本編とは関係ないエピソードを雑に消化する番外編 その7

1020. 取り留めのあり過ぎるグループ通話 ~君の瞳に恋してない編~


【紳士淑女の社交場(6)】


みずきさん@なにも喰えなくて……夏バテが通話を開始しました


瑞希

『ふぇーい』


瑞希

『あちまれ~~』


くらはたひなですが通話に参加しました

楠美琴音が通話に参加しました


比奈

『は~い』


琴音

『はい、こんばんは』


Airi Nagaseが通話に参加しました


愛莉

『なによ、こんな時間に』


愛莉

『大会終わるまでこのグループ使わないって言ったでしょ』


それは紛れもなく、ノノさ。が通話に参加しました


瑞希

『すまん、緊急事態』


比奈

『大事なお話~? どうしたの?』


ノノ

『今度は瑞希センパイが○んだと?』


琴音

『ンンッ!!』


瑞希

『あー。そーじゃないんだけど』


愛莉

『ならなによ。明日試合でしょうに』


ヒロセハルトが通話に参加しました


瑞希

『いやこれはもう、今のうちに解決しないとマズイってゆーか……』


琴音

『私に出来ることなら協力します。どうされたんですか?』


瑞希

『んー……いやさぁ……』


瑞希

『…………ムリ。禁欲』


陽翔

『え』


琴音

『ふぇ』


愛莉

『は?』



 ……………………



ノノ

『……い、意外ですね。まさか瑞希センパイが一番に根を上げるとは』


比奈

『ね~びっくり~。どうしたのぉ~?』


ノノ

『絶対愛莉センパイだと思ってました』


愛莉

『いよいよ私の扱いどうなってるの……』


ノノ

『性欲お化け』


比奈

『んー。陽翔くん中毒? 依存症?』


愛莉

『はっ、はぁぁっ!? よりによってその二人に言われたくないんですがッ!?』


琴音

『愛莉さん、落ち着いてください。話が進みませんから』


愛莉

『琴音ちゃんに諭されるのも納得いかない……ッ』


ノノ

『で、瑞希センパイ。何かあったんすか?』


瑞希

『あー……いやさぁ。今日の練習なんだけど……紅白戦で長瀬と一対一のシーンあったじゃん?』


比奈

『最後の?』


瑞希

『そーそれ』


琴音

『気合の入った良い守備だったと思います』


瑞希

『んへへ、あんがと……あ、で、その、まぁ……終わった後にさ、ハルに呼ばれてね?』


ノノ

『はあ。そう言えばなんか喋ってましたね』


瑞希

『そんときさ。その……すっごい褒めてくれたんだ』


ノノ

『良かったじゃないですか』


瑞希

『なんだけどさ、褒め方が……なんか、むっちゃ上手くなったなぁ頼りになるわぁって、すっげー優しくて……っ』


愛莉

『確かに今日のハルト、妙に機嫌良かったわね』


ノノ

『あー、それ理由聞きました。セレゾンの同期の宮本さんって人が、昨日のリーグ戦投入五分で一発退場になったとか』


愛莉

『うわ、性格わる』


ノノ

『めっちゃ仲悪かったらしいですね。あ、はい、それはともかく、続きを』


瑞希

『……いや、まぁ、そんだけなんだけど』


愛莉

『は? それだけ?』


瑞希

『だってさぁぁ~……! なんかめっちゃ優しかったんだもん……っ』


比奈

『わ~照れてる~♪』


瑞希

『照れるってあんなのさぁっ! もうなんか……あたし気付いちゃったんだよなぁ…』


琴音

『……なにをですか?』


瑞希

『あたしさぁ……ハルの笑顔がダメなんかも……』


ノノ

『ほほう』


瑞希

『ギャップってゆーか……分かんないけど、いっつもあんくらいフツーなのに……超ドキドキした』


比奈

『あ~。でも分かるかもっ。陽翔くん、真面目に練習してるときはすっごいキリッとしてて、カッコいいなぁ~って』


瑞希

『ひーにゃんも?』


比奈

『うんうんっ。それ以外のときのフニャってした顔が可愛いんだよね~♪』


愛莉

『フニャって言うか、ペチャンコでしょアイツ』 


ノノ

『まったまた~。毎朝センパイと会った瞬間アヘ顔になる人が~』


愛莉

『あっ、アヘ言うなしッ!?』


比奈

『それでそれで? 我慢出来なくなっちゃったの?』


瑞希

『…………アレってさ。よーするに、えっちがだめなんよね?』


比奈

『そうだよ?』


瑞希

『……一人でするの、だめ?』


愛莉

『えっ、それも?』 


ノノ

『それも?』


愛莉

『あっ』



 ……………………



ノノ

『……してるんですね。愛莉センパイ』


愛莉

『嘘ですなんでもなんでもないです聞かなかったことにし』


比奈

『愛莉ちゃ~~ん!』


愛莉

『ぁぅ……ご、ごめんなさい……っ』


比奈

『も~っ! 大会に集中するための約束なんだから、それじゃ意味無いのに!』


愛莉

『だ、だってぇぇ~……! ていうかっ、なんで比奈ちゃんは大丈夫なのよっ! 私と同じくらい終わってるでしょ!?』


比奈

『お、終わってる!?』


ノノ

『そうですね。比奈センパイは論外です。むしろ隠れてセンパイとしてないのが奇跡だと思ってます』


比奈

『えっ……えぇ~!? ひどいよぉ~~!!』


ノノ

『だって泣きながらあんなこと言ってた人だし……』


比奈

『そんなぁぁ……! 琴音ちゃぁ~んノノちゃんがいじめるよぉ~!!』


琴音

『……すみません。のーこめんと、です』


比奈

『!?』


ノノ

『まぁでも、あれですね。愛莉センパイと比奈センパイの性欲がバグっている、否、トチ狂っている件は一旦置いておくとして』


愛莉

『そんな酷い言い草ある……ッ?』


ノノ

『正味ノノも疑問ではありました。禁止令そのものは正論として、我々とて健全な青少年であるわけですから、完全に絶ってしまうのも健康延いては精神衛生上あまり宜しくないのではないかと』


愛莉

『……そう言うノノはどうなのよ?』


ノノ

『はい? 言わなきゃ分からんですか? 毎日寝るのもシンドイくらい悶々としていますがなにか?』


愛莉

『え、あ、うん。ご、ごめん……』


ノノ

『ふむ。むしろ瑞希センパイが正直に告白してくれたおかげで、みんな逆に助かったって感じですね……ならここは、ルールを緩和する方向でいかがでしょう?』


琴音

『緩和、ですか?』


ノノ

『いぇすいぇす。まず、ソロプレイはオッケーにしましょう。このままだと予選の間に誰かしら爆発するのは間違いありません』 


琴音

『……そろぷれい、とは?』


ノノ

『あ、そっかセンパイはそっからか……』


比奈

『ぐすんっ……うん、そうだね。それが良いと思うっ……実はわたしも、もう限界だったの……っ。あと一か月も陽翔くんの温もりが味わえないなんて、想像するだけで……っ!』


愛莉

(なんか演技臭いわね……)


ノノ

(仮に本心だとしても、よくもまぁ人に中毒だ依存症だ言えたものです……ッ)


比奈

『ごめんね、瑞希ちゃん。わたしが一方的に決めちゃったから、瑞希ちゃんに辛い思いさせちゃったよね……っ!』


瑞希

『え、あー、うん。そう、かも?』


愛莉

(言い出しっぺがもう着いて行けていない……)


比奈

『じゃあ、そんな感じにしよっか……。もし一人でも駄目だったら、このメンバーの誰か……陽翔くん以外なら誘ってもオッケーにしようね。うん、それが良い……!』


愛莉

『……ん、えっ? はい? 誰か? 誘う?』


比奈

『ごめんね、琴音ちゃん。さっきの言葉の意味は教えてあげられないけど……陽翔くんからも聞いてないよね?』


琴音

『はぁ。あの、比奈。さっきから何の話を?』


比奈

『琴音ちゃんも一緒でしょ? そういうとき、どうすれば上手く解消できるのか……わたしが身を持って教えてあげるからっ!』


ノノ

『いや、ちょ、比奈センパ』


比奈

『みんなも辛かったら、わたしに頼って良いんだよっ! きっと、これから必ず役に立……あ、ううん。なんでもないっ! とにかく、そういうことにしようね! ねっ!』


ノノ

(やべーこの人マジやべー)


瑞希

(あれ? なんでこんな流れになった?)


愛莉

(やっぱり比奈ちゃんって……)


陽翔

『ねえ俺がこの話聞いとる必要性なに??』


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