17話 美少女な式神の身体の中で・・・

美少女な式神の体内のコックピットは、白磁の様な素材で覆われていた。


姫様のコックピットと違って、お風呂は備え付けておらず、椅子と操縦桿らしき物があるだけの、質素な作りだった。


でもしっかり造りこまれた椅子の座り心地は、里山旅館の一番高い椅子よりも、身体に馴染んだ。


「少将閣下、操縦桿を握ってみてください!」

外から、はなもりの声が聞こえた。


「はーい」


少将閣下が「はーい」はないかな?

とか思いながら、操縦桿を握ると、360度モニターに外の映像が映った。


足元にメカニックの、はなもりが見えた。


「まさに巨人」


まあ、妖精が小さくて、こっちが普通の人間サイズなだけだが。


「肌を通じて意思が伝わる仕組みです、では、少将閣下、歩いてみてください♪」


いきなり歩いてみて下さい♪と言われても


でも、とりあえず操縦桿に、「歩け」と呟いていた。


『あるけえ↑?』

と可愛い声が響いた。


多分、美少女な式神の声だ。

自分の発した声が式神の声として発されたのだろう。


「いやいや、そうじゃなくてですね。」

はなもりは呆れた。


「だって・・・」

「すいません。姫様は、すぐに動かせたから」


だよね、姫様優秀そうだし。


「マニュアルとかないんですか?」

「あるにはあるんですが、古い上に専門用語が難しすぎて、何が書かれているのか解りません」

「えーマジですか~」

「マジです。えへっ♪」


えへっ♪じゃねーよ


こういう時、ロボットものの主人公とはか、すぐに動かせるけど、現実は厳しい。


でも、心なしか、そんな気持ちを、美少女な式神が、察しているような気がした。


美少女な式神の身体の中で、そんな優しい感触を感じたような、感じていないような・・・




つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございまする\(^▽^)/



シルス・・・12人の思惟の1人。思惟の中では地味な方。 

はなもり・・思惟専用式神のメカニック。


美少女な式神・神将級の貴重な式神

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