15話 思惟少将閣下専用鬼
地下の広い格納庫には、式神の修理用ハンガーが30近く並んでいた。
しかし、そこに収容されている式神はなく、シルスの目の前に1鬼存在するだけだった。
「男の子はみんな『最終決戦だ!』って、みんな遠征に連れて行かれてしまったの」
思惟専用式神のメカニックの少女は言った。
思惟と同じ年ぐらいの少女は、作業着のつなぎを可愛く着こなしていた。
そしてシルスの目の前には、巨大ロボットの様な、黄金の甲冑を纏った神将級式神が聳えていた。
「これがわたしの式神?」
シルスは、黄金の甲冑を纏った神将級式神を見上げた。
魂だけで妖精サイズのシルスが見上げると、巨大ロボットの様だ。
「はい、思惟少将閣下専用鬼です」
「黄金って目立ち過ぎだと思うんですが・・」
「黄金には、式神と意思の疎通がしやすくなる性質があります。
貴人型には、必須な要素です」
「そうなんだ」
「金メッキではなく、黄金のインゴットで出来てます。
黄金の装甲自体が、通信用アンテナを兼ねてします。」
メカニックの少女は自慢げに言った。
金塊ぶら下げて、戦っているようなものだ。
シルスは、ついお値段を想像した。
黄金の甲冑はキラキラ輝いていた。
ステレスとか言われる時代に、この輝きは戦術的に、どうなんだろう。
ステレス性ゼロじゃん。
みんな私はここよ!私を見て!
と言っている様なもんじゃん。
戦場でそんな事叫んでいる奴は、確実に即死じゃん。
つづくよ~ ((((( ( (ヽ(;^0^)/
シルス・・・12人の思惟の1人。思惟の中では地味な方。
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