6話 赤い絨毯の上を・・・

お城の方から、黒と白の鳥の足元まで、赤い絨毯が伸びてきて、楽団らしき妖精たちが、城から出てきた。


「うわっー、そういうの苦手なんですが」


思惟としても、12人になっても、日陰で生きてきたのに、とりあえず、黒と白の鳥の背から飛び降りた。


すると、妖精の楽団が金管楽器を演奏し始め、

「少将閣下お待ちしておりました」

と、イケメンな顔立ちの将校が、膝をついて出迎えた。


声は少女の声だったから、多分少女なのだろう。

顔立ちや雰囲気から、きっと親衛隊の様な存在なのかも知れない。


「姫様がお待ちしております。ご案内致します」


少年のような少女の将校が言った。


赤い絨毯の両サイドには、姫様の親衛隊らしい少女の将校たちが、整列していた。

地上で言うと、中高生と言った年齢ぐらいの子ばかりだ。


地上と妖精世界とは、年齢の感覚に違いが、あるのかも知れないが、大人とは言えない。


さらに、平均値の思惟とは、レベルが違う可愛い少女たちばかりだ。

そして、みんな凛々しい戦士の目をしていた。


さて、この視線の中、赤い絨毯の上を進めって事なんだろう。


こんなの中学の卒業式以来だ。

だいぶ雰囲気は違うが、こんな時、どんな顔をすれば良いんだろう?

なんか少将閣下とか言われてるし、少将ぽい表情って?


他の思惟なら、もっと上手くやれるはずだけど・・・


結局、ちょっとうつむき加減に、赤い絨毯を歩く以外なかった。

それもかなり顔を赤らめて、最悪だ・・・




つづく 



いつも読んで頂き、ありがとございまする(≧∀≦)♪


シルス・・・12人の思惟の1人。思惟の中では地味な方。

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