2話 地下妖精世界の空?

目の前に自分の背中が見えた。

自分の身体から意思が、離脱したんだろう。

魂なのかも知れない。


離魂かな?


シルスは、そう解釈した。


まだ、浮いてる?


違う、これは確実に落ちている感覚だ。

魂って上に上がるんだと思ってたけど、明らかに落ちている。


地獄?

悪い子だから?

いや大丈夫、良い子として生きてきたはず!


偽善者だったから?まさか・・・

でも、偽善者ではなかったと言える証は、何も浮かばなかった。


もう自分の身体の背中を確認することも出来ない。

加速度が半端ない。


膜の様な物を突き破ると、パッと明るくなった。


空?

地下妖精世界の空?


振り向くと、街や森が見えた。

パラシュートどころか、着ている服もない状態で、地面めがけて落ちていた。


「ありえないでしょう!ありえないでしょう!」


何かのミス?

えっえっえっ、でも、とりあえずデジカメで・・・


「ああああああ、デジカメ忘れたー!とか言ってる場合じゃない」


手を鳥のようにバタつかせてみた。


魂に近い状態だし・・飛べるかも・・


と思ったが無理だった。


「会璃さん、助けてー」

と叫んでみたが、魂オンリー状態だと予想以上に声は小さかった。

再び、

「会璃さん、助けてー!」

と叫んでみた。今度はかなりの声になった。声が出た!


「いえい♪と喜んでいる場合じゃないし!」


大空に何かが飛んでいた。


鳥?明らかに猛禽類じゃん!


巨大な大鷲。ジェット戦闘機くらいの大きさはある。


自分が妖精サイズになった結果だと思うけど、大鷲の目が光り、明らかに獲物と認識した目だ。


「わたし、美味しくないからー わたし、美味しくないからー」


シルスの叫びに、


大鷲は「安心しろ、俺、良い子、食べ物の好き嫌いしない」と、


目で語ったような気が・・・


「そう言う事じゃなくてさ~」


でも、今の状態が素の魂の状態だから・・・・

夢を見ている様な状態?

だとしたら、食べられても夢落ちじゃない?


大鷲が、凶暴な爪で捕獲体制に入った。


いや違う、魂の状態だろうが、肉体があろうが、アレに食われたら、確実に死ぬ。


もしかすると、肉体の死よりやばい死かも知れない。

直感で、そう確信した。


「お兄ちゃーん、助けて!」


困った時の兄頼み・・・大切な頼みなので、2回叫んでみた。


「お兄ちゃーん、助けて!」


バサッ


「ん?」


何か、白と黒の何か・・・

大鷲ではない何かに、咥えられた様な感じがした。

その咥え方は緩く、殺意は無さそうだった。


獲物を横取りされた大鷲は、下の空域を旋回した。

まだ諦める気は無いようだった。



つづく


更新は、毎週水曜日です。(≧∀≦)♪



思惟たちヽ(*'0'*)ツ

思惟オリジナル(15)  旅館の女将修行中


【チーム・北の島】

α・・・ちょっとアホっぽい。弄られ少女。

β・・・ 賢者な少女。

璃琥(りく)・・・高跳び少女。美少女戦士。

思惟・女将・・・大人びた少女。



【チーム・南の島】

シルス・ ・・ デジカメ少女。日記を記す。

思惟裸裸(しいらら)・・・ コテカを装着した裸族の少女。

汎都(パント)・・・ シルスと裸族が大好きな少女。

舞夢(マイム)・ ・・キャラはパンちゃんと同じ。



【チーム・西の島】

ちーず・・・兄の狼図を嫁にしたい少女。

φ・・・ 初恋の少年を忘れられない。人形使い。

Ψ・・・ 惣菜買い出し担当。お金の管理を担当。

Ω・・・地下での記憶を持つ。全思惟の記憶を知る。

ν ・・・?

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