13話 蒼い龍と青い花火とアホな裸裸(らら)
大きな爆発音に、街の人は外に出て、夜空を見上げた。
見たことがない種類の青い花火が上がったかのように、夜空は青く輝いて、それは、とても美しい輝きだった。
それを蒼い龍が巡航ミサイルを、撃ち落としている光景だと知る者は、ほんの僅かなのだろう。
里山旅館の一室で、中野綾香は青く輝く夜空を、動画に納めていた。
夜空のショーは、数分で終わった。
綾香は旅行用のロードマップを広げ、じっと眺めて、印をつけた。
どこかに基地があるはずだ。
多分、地下にあるのだろうが、地中探査レーダーで地道に探すしかないのか?
かなり広い街だ。
綾香は気が滅入った。
赤いキャリーバックに内蔵された、地中探査レーダーを確かめた。
「ひたすら歩くか・・・」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
チーム・南の島の思惟たちが、会璃(あいり)に誘われ、使鬼に乗れるかどうかの素質を調べる為に、その部屋へ向かった。
「会璃(あいり)ちゃんのお尻、イエイ♪」
思惟裸裸(らら)に、お尻を触られ会璃(あいり)は微妙な顔をした。
思惟裸裸(らら)お前はなぜそう欲望の赴くのか!?
なぜこの短期間に、そうも馴れ馴れしくなれるのか?
シルスは「やめて!」と睨み付けた。
「もう、まじめなんだから」
と思惟裸裸はシルスのお尻を触った。
思惟裸裸(らら)お前は、分身のお尻を触って嬉しいのか?
思惟裸裸は満面の笑顔だった。
思惟裸裸から解放された会璃(あいり)は、安堵の表情で説明を始めた。
「使鬼に乗れたからと言って、元に戻れるかどうかは、不明ですが、可能性は高まります」
シルスは、元に戻りたいかと言うと、そうでもなくなっていたが、でも、このままでは問題はあるだろうし。元に戻りたい思惟もいるだろうし。
案内された部屋はひんやりとしていた。その真ん中に石で出来た箱が設定されていた。
「石室?」
もっと科学的で機械的な物を想像していたシルスは呟いた。
部屋は、4畳半くらいの茶室サイズで、壁は石で出来ていた。
壁に割れ目が見えないという事は、部屋自体が大きな石そのものなのかも知れない。
中に入るとひんやりとして、石の壁が熱と音を吸収していた。
部屋の中央には、人が1人入れるくらいの石で出来た箱があった。
「オリジナルの時は、こんな部屋には来なかったような気がするんですが・・・」
シルスの問いに、会璃は返答した。
「姫様と姫様の乗る神将級があれば、その場で出来るのですが、姫様は、現在お忙しいので・・・今回は、ここで・・・」
多分、この石で出来た箱に入れって事なのだろうけど、どう見たって棺桶にしか見えないんだけど・・・かなり怖い・・・・シルスは躊躇して、他の思惟を見た。
思惟裸裸は、目を輝かせながら。
「わたし、一番でいいですか!」
会璃は、「どうぞ」と涼しげな表情で微笑んだ。
シルスはちょっとほっとした。
こう言う時、後先考えないアホがいると助かる♪
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)
思惟たちヽ(*'0'*)ツ
思惟オリジナル(15) 旅館の女将修行中
【チーム・北の島】
α・・・ちょっとアホっぽい。弄られ少女。
β・・・ 賢者な少女。
璃琥(りく)・・・高跳び少女。美少女戦士。
思惟・女将・・・大人びた少女。
【チーム・南の島】
シルス・ ・・ デジカメ少女。日記を記す。
思惟裸裸(しいらら)・・・ コテカを装着した裸族の少女。
汎都(パント)・・・ シルスと裸族が大好きな少女。
舞夢(マイム)・ ・・キャラはパンちゃんと同じ。
【チーム・西の島】
ちーず・・・兄の狼図を嫁にしたい少女。
φ・・・ 初恋の少年を忘れられない。人形使い。
Ψ・・・ 惣菜買い出し担当。お金の管理を担当。
Ω・・・地下での記憶を持つ。全思惟の記憶を知る。
ν ・・・?
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