14話 エレベーターは今も下降中・・・

エレベータに取り付けられた大きな鏡のせいで、思惟が6人もいるような感覚に陥る。そんなエレベーターの密室の中で、シルスは叫んだ。


「もっと考えて行動しなよ!」


それに裸族の思惟は、股のコテカを振り回しながら、反論した。


「わたしはあなたが思っている様な、真面目な優等生なんかじゃない!

わたしだって、衝動的に行動する事だってあるんだよ!」


「お前の、どこに真面目な優等生の要素があるんじゃー!

今の自分の姿見てから言えよ!」

「えー真面目な娘が、無理やり裸族をやらされている感はあるけど」


裸族の思惟の言う通り、それはある。

体つきは普通の女子高生なのだ。問題は心だ。

裸族の思惟の心の中で、裸族の心が覚醒したのだ。


この状況で、この子たちを責めても仕方がない。


今は、わたしが考えないと・・・


ここは多分、妖精の住む地下へと降りるエレベーター内。

まだ目の前では、コテカを着けた少女とそれに類する少女2人が、

南国風にアレンジしたダンスを踊っている。


この状況で、なぜこいつらが、こんなに浮かれていられるのかは不明だ。


とりあえずシルスは、デジカメで踊る少女たちを撮った。

2人の思惟が、パンツをチラっと見せた。


「いや自分のパンツ見てもなんとも思わないし」


と言ったにも関わらず、

「もう照れちゃって」と二人の思惟はシルスの頬にキスをした。


とりあえずそれも自撮りし、撮れ具合を確認すると、ふとにやけてしまった。

良く撮れてるし、思惟たちは心から踊っていて、とても良い表情をしていた。

この状況でこんなに踊れるとは逆に凄い。


・・・・と感心している場合じゃない。


シルスはすぐに現実に戻った。

エレベーターには、何のボタンも装置も見当たらない。

多分、今もエレベーターは下降中だろう。


わたしたち・・・今は、わたしたちになってしまったが、思惟は、何らかの理由で地下から追い出された。


それは地下の妖精サイドにとって、思惟の存在が不都合になったからだろう。


そして、エレベーターのドアが開けられたことも、現在下降している事も、把握していると考えた方が良い。


そして、エレベータのドアを開けたコテカ。


シルスが裸族の思惟のコテカを見つめると、裸族の思惟が、「触ってみる?」と、

股に着けたままシルスの目の前に突き出した。


同じ姿の自分にセクハラして楽しいのか?


見ると裸族の思惟は、ものすごく楽しそうだった。

それを見るキス魔の二人の思惟は、凄くエロい顔してた。


わたしもエロい顔すると、あんな感じなんだ。


あきらかにセクハラなのだが、とりあえずじっと観察した。


作り込まれた感のあるコテカは、そこに込められた思い、思惑、思考、などの情報量が、半端ない事を感じさせた。


これは、多分コテカじゃない何か・・・



つづく


いつも読んで頂き、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)

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