3話 その美しさで、たっぷり敗北感を感じさせた・・・

黄金の甲冑を着た武者の胸の部分が開き、巨大ロボットのコックピットから、すらっとした妖精が出てきた。


「か、可愛いー!」


思惟の感嘆の声に少女の妖精は、「ふふ~ん」と微笑んだ。

妖精は、大きさにして3cmぐらいで、体のラインがくっきり解る青金石色の服を着ていた。


身長は3cmぐらいだが、顔立ちは15歳前後ってとこだ。


「なんか、巨人になった気分・・・」


少女の妖精は数秒、自慢の顔と身体を思惟に、見せ付けた。

その見せ方は『私が世界の中心よ』とでも言いたそうな見せ付け方だった。

実際、そう思わせるだけの美しさを放っていた。


「多分、本当に世界の中心なのかも」


思惟に、その美しさで、たっぷり敗北感を感じさせた妖精の少女は、


「あなた・・・何者?」


「透き通る声・・・素敵・・・・」


「聞いてる?」


「あっそっか、小さいから、声が異質に感じたんだ・・・」


「聞いてる?!」


妖精の少女は、さっきより少し大きな声で、思惟に聞いた。


透き通った声が、思惟のぬいぐるみがいっぱいの部屋に響いた。


「・・・欲しい」


思惟は妖精を捕まえようとに手を伸ばそうとした。


手の先の妖精の顔に恐怖がよぎっていた。



つづく

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