第4話 魔法使い
「どーも。ウチはミラでーす」
先程のかなり堅苦しいリアの挨拶から一転、気の抜けるような挨拶がやってきた。
「あ……どうも」
「あはは~。挨拶なんていいって。これから長い付き合いになるんでしょ? 仲良くしようよ~」
そういっていきなり握手してくるミラ。
銀色の髪に、おっとりとした感じの表情……黒いローブを着ていて、持っている装備は魔術師用の杖……魔法使いがこの子ってわけか。
「ミラさんはかなりのレベルの魔法使いみたいですよ」
受付嬢がまたしてもニコニコしながらそう言う。
「……そうなんですか?」
「そうだね。ほら」
そういって、彼女は俺に「冒険者証」を差し出してくる。冒険者証は、冒険者のステータス……レベルや能力を示すものだ。
「え……レベル83!?」
思わず目を疑ってしまった。しかし、彼女の冒険証には間違いなく83と書かれている。
魔法使いレベル83が本当なら、なんで前のパーティをクビになった俺の仲間になろうなんてしているんだ?
っていうか、どんな魔法を使えるのだろうか……そう思って俺は彼女の使える魔法の欄を見ようとしたときだった。
「そんなマジマジ見ないでよ~。恥ずかしいって」
ミラはそのまま冒険者証を取り返してしまった。使える魔法は見られなかったが、かなりレベルの高い魔法使いであるということは間違いないようだ。
「えっと……とりあえず、よろしくお願いします」
「あはは~、だから、そんな畏まらなくていいって。よろしくね~」
……なんだか、ミラさんはまともな人のような気がするな。大丈夫そうだ。
無論、俺のそんな淡い期待は、後々、完全に打ち破られることになるのだが。
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