第2話 集う者たち

 数日して、ギルドから連絡があった。


 なんでも、さっそく、新しいパーティのメンバーが決まったらしい。


 パーティのメンバーが決まってくれたというのは朗報だ。しかも、こんなにも早く。


 しかし、俺には一つ心配事があった。明らかに……早すぎる。


 普通俺みたいなパーティをクビになったやつと組みたいヤツなんてあまりいない。それなのに、この数日だけであっという間に新しい仲間ができるなんて、あまりにも都合が良すぎるのである。


 なんとなく嫌な予感がしたが、かといってギルドからの連絡を無視するわけにもいかない。俺は連絡があった日にギルドに行くことにした。


「あぁ。アストさん」


 ギルドに行くとさっそく受付嬢が俺を待っていたと言わんばかりに出迎えた。


「いやぁ、良かったですよ。アストさんにぴったりの人たちが見つかりました」


「……俺にぴったりの人達」


 明らかに言葉に含みがあることがわかる。いやいや、ここは何も突っ込まない方がいいだろう。


「さぁ、あちらのテーブルで座っている人たちです。行って挨拶してください」


 心なしか受付嬢も過剰な程にニコニコしている。これは明らかに裏があるし、どう考えても不味い展開しか思いつかない……


 そう思いながらも俺は受付嬢に案内されるままに俺の新しい仲間が待っているというテーブルに向かっていったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る