第5話 Bサーヴァント

数分後に玲音は目覚めた。


『玲音。目が覚めたんですね』


結局、寝ている間は何があったのだろうか。玲音がシェラに寝ている間の事を聞くと、寝てる間リンクが切れて憑依する事が出来なかったとの事だ。


「そーいやシェラって何か特殊能力とか無いの?いつも助言はくれたりするけどさー。本当は何者なの?」


『私は…女性です。名前はシェラ・セレスティアル、年齢は20歳。一応、格闘技が出来ますよ。この世界で私が出来るのは敵の感知と予言ぐらいです。私に肉体があれば玲音と戦えるのですが…』


『フフフ…楽しそうではないか…シェラ、そして玲音』


玲音とシェラの前に再びBの声がする。周りを見渡すも誰も居ない。


『無駄だよ…それより学校の化け物はしっかり倒せたみたいだな…あんな雑魚に負ける程度だったらどうしようかと心配していたんだよ』


「お前の目的は何だよ!?化け物を解き放ったりして!」


叫ぶ玲音にBは高笑いをする。


『ハハハ!玲音、君はつまらなかったんじゃないのか?これまでの学校はつまらなかった、退屈していたんじゃないのか?だからBである私が少しでも君の為に楽しくしてあげてるんだよ!玲音…私は君を必ず倒すよ。君を倒す為に私は3体の下僕を解き放った』


「下僕??」


『そう、私が作り出した言うならばBサーヴァントというもの。Bサーヴァントはその辺の化け物と違って強いから死なないように気を付ける事だね。そして、Bサーヴァントを全て倒したら私が直接相手をしてあげよう』


Bに「絶対に倒してやる」と玲音が言うとBの声は聞こえなくなった。


Bサーヴァント…一体何者だろうか…。


そう思っていた時、目の前に黒いレインコートに仮面を被り刀を持った者が現れた。


明らかに普通ではない。


「お前が玲音だな…我はBサーヴァントの1人ヒリュウ。いざ…尋常に!!」


Bサーヴァントと名乗ったヒリュウはいきなり刀を抜き玲音に襲い掛かって来た。


玲音は刀を具現化し、ヒリュウの攻撃を防いだ。


「中々やるではないか、我の攻撃を防ぐとは。流石はB様が倒そうとする敵」


ヒリュウは再び玲音に斬りかかる。玲音は、地面を転がり攻撃を回避した。


「逃げてるだけでは我には勝てぬ…我は…」


「うるせええええええ!!」


玲音は手に持っていた砂をヒリュウに投げた。ヒリュウはたまらず顔を抑える。


「ま、ただの砂じゃないんだけどな」


玲音が投げた砂には電気の力が込められており、ヒリュウの身体を電気の力が襲う。


Bサーヴァントもたいした事ない。玲音がそう思って立ち去ろうとした時だった。


「何処へ行く?玲音」


見るとそこには仮面が外れたヒリュウの姿がある。その素顔は玲音のクラスの担任の先生だった。


「先生!?」


玲音が動揺したその時、ヒリュウの刃が玲音の身体を貫いた。


「先生とは何だ?私はBサーヴァントのヒリュウだが…」


ヒリュウが刀を納めると玲音は崩れ落ちた。


痛い…思った以上の痛みが玲音を襲う。


「負けて…たまる…か…」


玲音は立ち上がろうとしたが力が全く入らない。血は出ていないが、痛みは本物である。


(諦めるのか?まだ俺達は負けてないだろ?)


玲音の中から声がする…これはシェラの声ではない。


(立ち上がらないなら俺が立ち上げてやるまでよ!力抜きな!心身転換!!)


バチバチと玲音の身体が音を立てると玲音は立ち上がった。


「あの攻撃を受けて立ち上がれるとはただのお子様ではないようだ…あれで終わってしまうのなら興醒めだがな」


ヒリュウは刀を構え直す。


「やめときな!俺とおめぇじゃあレベルってもんが違うぜ!」


玲音は蓄電していた電気を解放し、辺りの化け物全てを倒してしまった。


「この雑魚のように痺れたくなかったら帰るんだなぁ。あ、帰っちゃダメか。結局俺がやんねぇとな!!」


玲音は刀を具現化してヒリュウに斬りかかった。ヒリュウは刀を納め抜刀術で玲音に対抗した。


お互いに速さは凄まじかった…


「ぐっ…なんだ…この速さ…」


ヒリュウの身体が倒れる。抜刀術で玲音に対抗したが、それよりも早く玲音はヒリュウに致命傷を与えていた。


「んでよ、結局のところおめぇは何者なんだよ?おめぇは鳴神玲音の担任なのか?」


「我は…そんなものではない…ただ、B様に使える忠実な部下だ…」


そういうとヒリュウは消滅してしまった。玲音は「ふぅ」と息を付くと再び身体に電気を蓄える。


「流石に目覚めて化け物だらけは可哀想だしな…俺からのプレゼントだよ!受け取りな!」


玲音は辺りに電撃を放つ。さっきの電撃と併せて、これで近くに化け物はいなくなっただろう…。


「おっと…そろそろ目覚める時間かねぇ…シェラを頼むぜ鳴神玲音」


そう言うと玲音はその場に座り込んで暫く項垂れてしまった。


〜異世界と現実のリンクルール〜

・異世界のものは現実とリンクしてる者で無ければ見れない


・異世界の力は現実に干渉しない


・異世界の力で飛べなくても翼は生えない


・元凶であるBを倒せばこの騒動は終わる。


・異世界の化け物を倒せばレベルが上がる


・意識が無ければ異世界の人間は憑依する事が出来る。ただし、自由には動かせず意識を入り込ませるだけ。

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