第2話 鳥の化物

ゴブリンを斬り倒し、小学校の近くまで到達した玲音。


ここにはゴブリン等のモンスターは見当たらない。学校の近くは登校時間のため生徒が多く、そんな中で戦うのは周りに変な目で見られる可能性があるため、勘弁して欲しいと玲音は考えていた。


その時…


ピギィイイイイ!!という鳴き声がして玲音は上を見上げる。なんと上から顔が人間の鳥の化物が飛んで来た。


「うっそおおおおお!!」


玲音は逃げるために走った。こんな場所で能力を使う事は出来ない。走りながら翼が欲しいと思ってイメージしても翼は生える事は無かった。


「おお、鳴神運動会の練習か?」


学校の前に立っていた玲音の担任を無視し、玲音は校舎に走る。鳥の化物は玲音を狙うかのように凄い速さで飛んで来た。


『玲音!危ない!』


玲音は鳥の化物に背中をクチバシで突かれた。結構な痛さだ…玲音は突かれる痛みに耐えながらも走り続ける。


玲音はポケットの中に手を入れた。何か無いだろうか。すると、都合が良い事に輪ゴムがポケットに入っていた。


玲音はこれに電気のイメージを乗せる。すると、周りには見えないが玲音には見える電気が輪ゴムに乗り、周りには聞こえないが、輪ゴムはバチバチと音を立て始めた。


そして、学校の玄関ドア前に到達すると玲音は振り返り、鳥の化物に向けて指でゴムを伸ばし始めた。


「ライトニングゴムアロー!!」


電気を纏ったゴムが鳥の化物に命中すると化物はもがき苦しんだ後に消滅した。


「こらー!鳴神ー!!ゴム飛ばして遊ぶんじゃなーい!」


こっちの気も知らないで…玲音は学校の中にようやく入った。学校の中にはモンスターらしき気配は無い。


『ここには来てないみたいですね…』


「だね。それより、授業中にでも話して欲しいな。なんで俺がこんなヒーローに選ばれたのか、あのモンスター達は何なのかを」


玲音が教室に行くといつもの教室の光景が広がっている。いつもの教室、いつものクラスメイト、いつもの窓から見える校庭…。


「うそぉ!?」


校庭にはよく分からない化け物が沢山居る。さっきの鳥の化物も空を飛び回っていた。


「何あれ?シェラ??」


『あれは、私達が倒すべき化け物…詳細は分かりませんが、異世界から来たのは間違いないです』


玲音は校庭を見る。確認するだけで50体以上は居る。全ての化物が中に居る玲音を狙っている様子だ。


だが、学校のドアを開けて中に入る様子は無く、窓やドアを突き破ろうという事も無い。


よく見ると学校の校舎に体当たりしている化け物が居る。その化け物は壁を何度か体当たりしているが、段々と体当たりが弱くなり、勝手に消滅してしまった。


この学校に結界のようなものが張られているのだろうか、それともこの学校自体がその異世界の物質を弾く素材で出来ているのだろうか…


玲音は弱めにイメージを具現化した弾を作り校舎に当てる。校舎に当たるも弾は消滅した。


今度は窓を開けて弾を発射したが、弾は途中で消滅する。


すると、窓を開けた事に気が付いた化け物が、開けた窓に向かって凄い勢いで飛んで来た。


「危ない!!」


玲音が慌てて閉めた事で化け物は中に入れず窓に激突した。激突した化け物は下に落下すると、消滅してしていった。


授業を受けてる場合じゃない。玲音は鞄を置き、定規を持つとこっそり教室から脱出した。


結界か異世界の力を遮断する物質。そのどちらかを掴めれば突破口になる。玲音はその答えを探すため、学校の中を探索する事にした。


〜異世界と現実のリンクルール〜

・異世界のものは現実とリンクしてる者で無ければ見れない


・異世界の力は現実に干渉しない


・異世界の力で飛べなくても翼は生えない←new

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