通学路異世界通路
@pengin4545
第1話 ファーストコンタクト
小学5年生の鳴神 玲音(なるかみ れいん)はいつもの通学路を通り、学校に通っていた。
通学路では下級生がごっこ遊びをしながら学校に通う。玲音は学校まで暇だからという理由でよくごっこ遊びをしていた事を思い出す。
一緒に通う相手はおらず1人だったが、自分のイメージしたバーチャル空間で自分のイメージした装備や能力で戦うごっこ遊びをしていた。
流石にこの学年になってもごっこ遊びをするのもどうかとは思う。だが、もうやめられなかった。
自分めヒーローになりたい。そんな事を玲音は考えていた…その時だった。
『見つけた』
玲音は謎の声が聞こえたような気がした。その声の主の姿は何処にも見えない…。
『私の名前はシェラ。私の姿はここにはありませんよ…』
当たり前だがシェラなんて知らない。この声の主も玲音は知らない。
『あなたにヒーローになって欲しいのです玲音』
「ヒーロー?」ヒーローに憧れる玲音には魅力的な言葉だった。
『これは貴方にしか出来ない事です。貴方にはこれから現実に居ながら異世界に干渉出来る力を与えます。そして、貴方のイメージを具現化する能力も与えましょう。その力を使いヒーローになるのです玲音』
その声の主が話し終わると玲音は倒れた。少しだけ倒れていたのだろう…目が覚めたが特に何も起きてない…
気のせいだったのではないか…そう思っていると、目の前にゴブリンが1匹現れた。
現実では有り得ない。あの声の主が言った通り、これは異世界の化け物。しかし、今居るのは現実の通学路である。
「えー、これ一体どーすんの!?」
玲音はランドセルから定規を取り出す。ヤケクソだが、この定規を持って剣になれと念じた。
すると、定規の部分が柄になり、目の前に光る剣が現れる。玲音はゴブリンに切り掛かった。
『グギャアアアア!!』
ゴブリンはあっさり倒れる。玲音が剣よ消えろと念じると剣は消えた。
「わー、この兄ちゃん1人で定規振ってるー!変なのー!!」
近くに居た同じ学校の下級生は、玲音にそう言うと走り去って行った。
『今、ゴブリンが見えたのは異世界にリンクしている玲音だけ…つまり、他の人から見れば何もない所で定規を振ってる変な人って事に…』
「うおーい!それどーすんだよ!!」
玲音が叫ぶと、さっきの下級生が「また一人で何か言ってるー!!」と言い走っていった。
『この世界で玲音とコミュニケーション取るのは難しいかもね…イメージを具現化する事が出来るんだから魔法とか良いかもよ。念じて使ってごらん』
シェラがそう言うと玲音は炎をイメージし、手から炎を出した。目の前に草花があり、炎が当たったが全く燃えていない。
『この炎は異世界のものにしか効きません。現実世界に干渉する事が出来ない仕組みになっています』
なんて面倒な…玲音はそう思った。現実世界に干渉出来ないという事は魔法を使っても現実では誰も玲音が魔法を使えると分からない。それどころか、周りが見えないため先程のように変な奴扱いされる可能性まである。
しかし、ここまで魔法や剣を出して声の主シェラを無視する事は玲音には出来なかった。それに、玲音はヒーローになりたかった。
「面倒だけど、シェラのヒーローになるよ…」
その時、玲音の横からゴブリンが3体現れた。玲音は咄嗟に光る剣を出して戦う構えを取る。
周りには人が居ない。思う存分剣を振る事が出来る!玲音は剣でゴブリン3体をあっという間に切り倒した。
倒れたゴブリンに玲音は触れる。感覚は本物…シェラの言う事はやはり嘘ではないし、玲音が見て感じてるのも虚構では無い。
「今日は遅刻だな」
定規を片手に持ちながら玲音は学校まで走る。
玲音の異世界と現実が繋がった物語が幕を開けた。
〜異世界と現実のリンクルール〜
・異世界のものは現実とリンクしてる者で無ければ見れない
・異世界の力は現実に干渉しない
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