第2話 「初デートはカラオケ?」
「俺、初めて来たんで何も知らないぞ!?」
「大丈夫よ!」
「私、何度も友達と来たことあるし・・・」
「お前にそんな友達が居たっけ?」
「俺が知ってるお前の友達はハムスターの桜ちゃんしか知らねぇぞ!?」
「うぅ・・・!」
「何を言ってるの?」
「隣りの家のポチも最近は結構、仲が良くってよ」
「じゃあその隣りに飼われてる犬のポチとお前が飼ってる桜ちゃんと一緒に何度もカラオケに来てるのか?」
「あなた、私の痛いとこチクチク突いて来るわね!?」
「お返しにこの傘であなたの背中を突いてあげましょうか?」
「いや、悪かったよ・・・」
「お前がさっきからどうも違うとこ目指して歩いてるんじゃないかと心配になったもんでな」
「えっ!?」
「私は空いてる部屋を探してるだけなんだけど・・・」
「だろうと思ったよ・・・」
「俺も聞いた話でしか知らないんだがまずはカウンターに行って受付けを済ませた方がいいんじゃないか?」
「知ってるなら教えてくれてもいいじゃない!?」
「私はこんなトコ初めて来たんだから知らないのよ」
「おいおい、桜ちゃんとポチを連れて一緒に何度も来てるんじゃなかったのかよ・・・?」
「ん!?」
「ちょっと待て!」
「ここに入る前に何て書いてあったか覚えてるか?」
「さぁ、何て書いてあったか緊張してて覚えてないわ」
「このパネルを見てみろ」
「よく見ると値段もやたら高いぞ!」
「ここはもしかしてラ〇ホ○ルってとこじゃ!?」
「何それ?」
「でもカラオケ付きって書いてあるわよ」
「う~ん、確かに・・・?」
「俺が聞いた話じゃカラオケってのはもっと安い値段で歌って遊べるとこだったはずだ!」
「きっとここは大人のお金持ちが歌いに来る場所なんだと思うぞ」
「とにかく一旦、外に出て確かめてみよう」
それから30分後・・・
「いやぁ、危なかったな?」
「初デートでとんでもない場所に足を踏み入れてしまうところだった」
「私はあなたと一緒ならどこでも平気だけど?」
「お前なぁ、そんなこと真面目な顔で言ったりしたら俺の暴れん坊将軍がマツケンサンバを踊り出すぞ!?」
「・・・」
「もう使い方を覚えたのか?」
「何か歌いたい曲でもみつかったのか!?」
「暴れん坊将軍に出てる人のマツケンサンバを歌いたいんでしょ?」
「今、リクエストしたからもうすぐ始まるわよ!」
「お前なぁ、さっきのは下ネタジョークだよ!」
「冗談だったんだからそんな期待した目で見ないでくれ」
「俺はそんな曲は歌えねぇぞ」
「・・・」
「って、何がマツケンサンバだよ!」
「これって初音ミクの消失じゃねぇか!?」
「俺に舌でも噛んで死ねってかぁ」
「お前の新しい拷問なのか?」
「あっ、なんか聴いたことあるかも!?」
「2人で一緒に歌う?」
「調子にのって申し訳ありませんでした!」
「もう許してくれませんか?」
この後、主導権を失ってしまった彼がマツケンサンバを歌わされたのは言うまでもない。
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