学校の帰り道 【読み切り】

家島

学校の帰り道

 「もうすぐ高校生も終わりだね」


 「そうかな?心はいつまでも、高校生だと思ってるけどね」


 2人はしばらく沈黙して川に沿った道を歩いていった。


 「林太郎くんは、義務教育の9年間と高校の3年間を合わせて、一番成長を実感したときっていつだと思う?」


 2人はしばらく沈黙して川に沿った道をさらに歩いていった。


 「とまれ」


 林林太郎が押し殺したような声で言い、隣を歩いていた桂圭子の首を絞めた。


 「きゅ、急にどうしたの」


 と圭子は声にならない声で言う。


 「もういいよ」


 と林太郎は言うと、手を圭子の首から離し、自分の手を汚れを落とすようにパチパチ叩いた。


 コホッ コホッ


 「私に恨みでもあるなら、言葉で伝えてよ!分からないよ」


 「えっ?いや」


 「なんで首なんか絞めたのよ!」


 「2匹、蚊がいたんだ」

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学校の帰り道 【読み切り】 家島 @Shochikubaitaro

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