第3話 傘
16:36
今日は学校が、16:00までだったこともあり校舎に残っている生徒はだいたい部活生だった。
いつもは外で行う部活は、教室や廊下でトレーニングをしていた。
さすがに、昇降口の周りで部活をする所はなかったようだ。
(佐藤まだ来てない。)
とりあえずローファーに履き替えて、傘立てから自分の傘を取る。
クラスごとに分けられてるわけでなく、学年ごとに分けている傘立てからビニール傘が無くなるのはよくある話だ。
私の傘は、先週あたらしくかった。赤地に白のドットの傘だ。
「遅い。」
「わりぃ。少し話が長くなった。」
佐藤はローファーに履き替え、そのまま外に出ようとする。
「いやいやいやいや。傘は?取られた?」
「いや。傘はある。」
「折りたたみ?」
「いいや、これ。」
そう言って佐藤は、私のてから傘を奪った。
「そんな怒んなよー。いいじゃん、入れて。」
「あんた……。もー、濡れて風邪引かれても困るし。今日だけなら。」
「わりぃな。じゃ、行こうぜ。」
直径120cmの屋根に2人並ぶ。
さっきよりも暑いのは、雨のせい。
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