第66話 導入

 戒斗は盛大に大会3位という結果を祝われ、数多のインタビューを受けた後、グループメンバーの下に顔を覗かせた。

 リナ、ミズキ、翼、ツカサ、ミズナにネムまで。

 全員が全員自分の事のように喜びそして祝ってくれた。

 戒斗が感じていたメンバーとの壁のようなものもいつしかなくなっていた。


 だが、戒斗の頭はある想いによって支配されていた。

 それは怒り、悲しみ、そして後悔。

 戒斗は戦いの最中、ある記憶を思い出した。

 蘇ったその記憶は戒斗が忘れていただけでは説明が付かなかった。


 砂嵐が晴れ、攻撃をした後、何者かが語り掛けてきたのを感じた。

 その声は確かに「久しぶりだね」と言った。

 その瞬間、全てを思い出し、忘れていた記憶は蘇った。

 思い出したのは四年前の記憶。

 一つのゲームの存在と掛け替えのない一人の少女の存在。

 そして忘れてはならない復讐を決めた存在。


 

 彼は思い出した。



 *



 これからお話しするのは彼の記憶の話。

 四年前に彼がこの世界で出会った、掛け替えのない物語。


 第3章 ーPvP大会編ー 完

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