第32話 開戦 Outbreak of War
空に白い花火が数発上がる。
遂に「レベル20以上限定
沢山の
昨日からの補足情報としては、
詳しく言うと、B-1や、B-2などのように決められたブロックを更に細かく分け、その中から選ばれた上位3組の
大会が行われる
各会場の役割としては巨大なモニターでの亜空間内で戦っている
会場は勝ち上がっていけばいくほど中心都市の中の中央に位置する第8区画の方にある、他区画と比べて大きくなった会場で行われるようになる。
それまでの予選はあまり人が集まらない遠隔地の区画にある会場で行われる。
但し、Aブロックは注目が集まることから、初めから中心都市第8区画にある"第8総合闘技場"で行われる。
戒斗たちは中央から見て南側に位置する大南門側に位置していると言った方が良いか、第14区画の"第14闘技場"に来ていた。
「思ったよりでけーな」
会場を見て翼は心情を吐露する。
「それはそうだろ。DブロックはAからEのブロックの中で一番エントリー数が多かったんだ。例え予選と言ってD-1、D-2、D-3に分かれてるとしても結局最大1664人と戦う可能性があるからな」
「せ、1664人となんて戦えるの?」
戒斗の言葉にリナは不安そうな声を上げる。
「そ、それに相手は
「それは大丈夫だろ。対人戦に慣れてるお姉さんがいるから。」
戒斗の言葉にミズキは
[任せて]
とチャットを打った。
「待て待て待てい!俺様の活躍も見てくれよな!!」
急に翼が声を張り上げた。
「なんだよ翼。お前も対人戦が得意なのか?」
「ったりめーだろ?俺をなんだと思ってんだ!俺は剣道中学生の部県2位の実力者だぞ!」
「マジで?!」
「すごいじゃない!」
まさか翼が剣道を習ってるとは。
だから以前のクエストで対人戦が得意だと自負していたのか。
戒斗はミズキにも聞いてみる。
「ミズキも剣捌き上手だよな。何か習ってるのか?」
[剣道を習ってる]
(やはりな)
あの構えといい明らか慣れた動きは剣道の技だった。
「俺様と同じじゃねーか!ミズキって確か大学生だったよな!県大会まで行ったことあるのか?!」
翼の問いかけにミズキはすぐには答えなかった。
少し間が空いた後にチャットが飛んできた。
[本名とか学校名バレたくないから言わない]
(え。本名とか学校名バレるってことは相当全国でも上位にいるってことだよな)
何故なら県大会3位と告白しても何県の3位なのかはわからないからだ。
「順位だけでも教えてくれよ」
翼は興味を持ったのか、詳しく聞きたがる。
だが、その話はメンバー全員興味があった。
ミズキは渋々チャットを打った。
[1位]
(え。それは強いわけだわ)
その後の3人の驚き様は想像にお任せしたい。
*
第14闘技場の入り口に入るとそこには大勢の
縦横に伸びた広い空間で天井には大きな旗が吊るしてあった。
そこにはローマ数字で"XIV"と記してあった。
真ん中に大きく石碑が設置されており、そこで再度エントリーをする様になっているようだった。
多くの
戒斗がエントリーを終わらせた数分後。
石碑が光り出した。
それとともに
そして一瞬光度が増すと、説明用NPCAIが空中に登場した。
それはピンク色の髪をした猫耳の女の子で、戒斗が受けた説明の時に現れたNPCAIとは異なっていた。
全身をピンクに統一しているが、でも淡いピンクや濃いピンクを合わせる事で調和を実現していた。
服は上が長袖のパーカー、下はミニスカートだった。
何か初めて見たわけではないような気がした戒斗だが、ネットか何かで見かけたのだろうと、まとめた。
周りからは
「マナちゃんだー!」
「マナー!」
といった声が上がった。
(会場によって出現するNPCAIも違うのか)
それはわからなかったが、マナと呼ばれているそのNPCAIは笑顔で話し始めた。
「みんな!今日は5周年記念イベントに来てくれてありがとう!」
男達からおおー!という声が上がる。
アイドル的存在なのかもしれない。
「早速Dブロック予選を始めるよ!このタイマーがゼロになる前にあの転送装置から亜空間へと飛んでね!時間内に入らないともう出場はできなくなるから注意ね!」
すると石碑の上に大きな時計が出現した。
その時計は5:00と表示されており、4:59と動き始めた。
「ルール説明等はみんなもう知ってるよねー?だからすっごく簡単にもう一度だけ言うと、フィールドにいるプレイヤーを全員倒せばいいの!ルールは言ってしまえばそれだけだよ!」
また男達の声が上がる。
士気が高まっているようだ。
「さぁ!今すぐ転送装置で亜空間へと飛び立ち、他の
そう、最後に付け加えると、マナは消えた。
その瞬間から
「さて。俺たちも行くか」
戒斗の言葉に4人は頷く。
ここからは真剣勝負。
対人戦が得意不得意関係無い。
他の
タイマーがちょうど3分になったところで戒斗たちは転送装置で亜空間へと向かった。
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