第28話 詳細発表 The details

 外に出た戒斗たちは残った魔力を使い、中心都市の前の転送装置へと転送魔法テレポートした。


  ツカサは魔力がほぼ底をついていた為、コンビニで買った"魔力回復ドリンク"を飲んでいた。


  味は小学生には苦いようだ。


  大西門前に着いた戒斗たちは中心都市に入った。


  中心都市に入ると戒斗たちの体力は自動で回復されるという機能が自動で付与される。


  変動があるステータスの体力、特殊、魔力が1分に数値にして10ずつ回復する仕組みだ。


  流石に待ち切れないという人は回復系の道具か食品を使えば回復できる。


  しかし、そこまで体力数値も高いわけでもない戒斗たちには回復系の道具は必要ないと考えていた。


  翼だけ緑色の草をむしゃむしゃと食べていたか……それは触れないであげよう。


  さて。


  戒斗たちは再び大西門の近くにあった転送装置から転送魔法テレポートを使用し、第8区画の共通ギルド前に着いた。


  到着すると全員でクエスト完了の報告をする為に受付カウンターへと行く。


  受付嬢は即座に対応してくれ、クエストが完了されていることを確認してもらった。


  報酬を全員貰い、ステータスを更新していると外から大きく鐘が鳴った。


  12時を知らせる鐘だ。


  するとその時。


  全クロミナ冒険者プレイヤーの元に1通のメールが届く。


  12時ぴったりに届くようになっていたようだ。


  戒斗たちはメールを確認する。




 

  【4/9(日)〜4/12(水)に開催される5周年記念特別イベントについて】

 

  ◎概要

  明日、4/9日曜日からの4日間、中心都市において5周年記念特別イベント「レベル20以上限定 組織ギルド対抗PvP(Player versus Player)ブロックトーナメント大会」を開催します。


  レベルによってそれぞれブロックに分け、そのブロックの1位同士が決勝で戦う形式になっています。


(ブロック数は参加 組織ギルド数が確定していない為まだお伝えする事はできません。ご了承下さい。)



  ◎試合形式及び規則ルール

  ・組織ギルドから最大6名の冒険者プレイヤーを代表として試合に出場します。


  ・試合終了後に代表者の変更は可能です。


  ・指定されたブロックで1つのバトルフィールドが設置され、その中で全員と戦い、最後まで残った冒険者プレイヤーがブロック優勝となるバトルロイヤル形式です。


  ・ブロック数によってはブロック内で更にバトルフィールドを分ける場合があります。


  (その場合ブロック優勝者の枠を増やす可能性があります)


  ・試合中のアカウント共有は1つの組織ギルドにつき1人が行うことができます。


  ・参加 組織ギルド冒険者プレイヤー全員の"気絶"で敗退となります。


  ・瀕死状態であれば蘇生は可能です。


  ・会場であるバトルフィールドの様子は応援ができるよう参加しなかった冒険者プレイヤーや観客に一般公開されます。


  ・不正行為の発覚は即刻敗退となります。



  ◎賞品

 ・上位三 組織ギルドには賞金が発生します。

 一位;5,000,000円

 二位;1,000,000円

 三位;500,000円


  ・参加 組織ギルドには"LANK(ランク)"が付与されます。


  ・この"LANK(ランク)"が冒険者プレイヤーのレベルの他に自身の力を証明する数値として機能します。


  ・是非高い"LANK(ランク)"目指して頑張って下さい。


  更なる詳細は後日発表致します。

  以上。





  長々と綴られた文章に一通り目を通す。


  戒斗は興味を唆られながらもプレイヤー間の戦いという点に不安を募らせていた。


  対人戦はミズキと違って経験がない。


  その上まだバトルフィールドに立って1週間も経っていない。


  それなのにレベルが高いというだけで高レベルなブロックに配属されたら負け試合確定である。


  それよりも、他のメンバーはこの大会に出たいのだろうか?


  「よっしゃー!いよいよ来たな!俺様の時代が!」


  「どんな戦いが見られるか楽しみね!」


  「プレイヤーと戦うのは少し怖いけど記念イベントだから参加してみようかな……」


  [なら私も]


  「カイトももちろん参加するわよね?」


  「……」


  「つーか、俺らが参加するって言ったら参加することになるんだけどな」


  これだから組織ギルド対抗は。


  戒斗は少し考えたが結局は自分で参加していただろう。


  「参加する。高いLANK目指して頑張ろう!」


  戒斗があげた声に4人は反応する。


  そして大会の日はすぐにやってきたのであった。




 第2章―準備編―完

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