第30話 それどころではない
俺とベルギオは一度あったことがあるらしい。
といっても今日見るのが初めてだった。
ベルギオと会った時の話を聞かせてくれると言ったネビュラの表情はしかめっ面で心底不機嫌そうだった。
「あいつとの出会い、それほどに知りたいのか?レオ」
「え、うん。知りたいよ。ネビュラともあったことあるんだろう?」
「・・・そうだ。あいつより先に私がレオと出会っていた」
話が始まる、と思った矢先だった。
ガッシャーン!っと室内からパーティにあるまじき騒音が鳴り響いたのだ。
互いに顔を合わせて、様子を見にいけばパーティ会場は滅茶苦茶になっていた。
大悪魔の周囲はひどい有様で、皆慌てた様子で固まっていた。
2階席から見下ろしていたはずなのに、一瞬ベルギオと目が合った気がした。
「レオ、この宴から帰ろう。危険だ」
「帰るっていってもどこから?」
「そこからだ」
「えっ?!」
ネビュラは俺の手を引いて連れてきたのは、先ほど外で話していた場所だった。
「ま、まさか飛び降りる気か?!正気か?!」
「大丈夫だ、私を信じてくれ」
「え、ええええ?!」
結局、宴は最後まで参加せずに退散した。
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