第27話 反ベルギオ派
黒曜族の大悪魔、深淵の大悪魔の二つ名を持つ大悪魔がいた。
黒曜族の現在の頂点に立つ存在、名前はベルギオ。
黒曜族の他の大悪魔たちから慕われている厄介な存在。
カリスマ性、力、知識を兼ね備えている非の打ちどころのない悪魔だった。
周囲の大悪魔たちも心底心酔しているようで、誰もが彼をトップとして君臨することに納得しているようだった。
だが、それを良しとしない同族たちもいることは確かだった。
裏で念入りに勢力を伸ばしつつある反ベルギオ派を募ってここまでようやくきた。
表立って行動に移すのはまだ早い。
そう思っていた。
「まずいですよね、ギューオさん。まさか、この宴に参加するとか聞いてない」
「ドルノ、落ちつけ。俺も混乱している。まさか、主催者がこんなゲストを招待してくるとは予想外すぎた」
「今回は大人しくしておきましょうや。下手げに今動いて、長年の計画を潰されるとか死んでもごめんすね」
「当たり前だ。こんなところで全滅するわけにはいかない・・・心配なのは」
「馬鹿が表立って動くかもしれないっていう」
「そうなったらすべてが台無しになる」
「もう、祈るしかないんじゃないかと」
「悪魔が祈るだなんて、ふざけた話だ」
「ま、実際祈るしかないじゃないすか?見守りましょうや、この綱渡りの宴を」
ギューオもドルノも黒曜の大悪魔ベルギオのことをよく思っていない。
所謂反ベルギオ派だった。
そして、ドルノはギューオこそが黒曜族のトップにふさわしいと思っていた。
ギューオは大悪魔でも何でもないが、知識と辛抱強さ、リーダーとしての素質があると感じていたからだ。
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