第18話 異変
あの騒動のあと、ネビュラはピリピリとした雰囲気だ。
近寄りがたいし、何なら会いたくない。
ガロットによって手当てをしてもらった場所を思わずさすっていた。
「腕、痛むかー?」
「いや、消毒されたときは痛かったけど今は平気」
「そうかー」
救急セットがあったのが驚きだが、ガロット曰く日頃の行いの賜物だそうだ。
人間は脆くて弱っちーからな、といっていた。
「あの悪魔って何者だったんだろう」
襲われた悪魔に恨まれるような覚えもない。
初めて会うはずだ。
「さぁな?まっ、狙いはお前さんだったみてーだし、しばらく護衛がいねーとあぶねーと思うぜ」
「って、いわれても・・・」
「まっ、そうなるわな。いっておくが戦力になるのはここじゃネビュラくらいしかいねーかんな?」
「ガロットは?」
「俺かー?いやー、俺はちょっとなー」
「ネビュラとやりあったことがあるんだろ?」
以前話していた内容を思い出していった。
「ま、あるにはあるけどよー。昔と今じゃ力関係がちげーっていうかなー。とにかくだっ、俺様ーこう見えても忙しいものでよー。時間の合間に来るくらいならいいが、四六時中はさすがに無理だって話よ」
「他に誰かいないのか?」
「あ?他ー?いやー、あいつにそんな知り合いいねーよ。見ればわかるだろ?」
「えーっと・・・」
「白い悪魔なんてあいつくらいしかいねーからなぁ・・・あいつ以外見たことねーし」
「白」
確かに他の悪魔は黒いのに、ネビュラは白かった。
ガロットが何か話し始めた時だった。
「あいつはこの魔界で生まれた瞬間から・・・こど・・・」
パリン
ガラスが割れるような音が鳴り響いた。
この部屋ではない。
ここは2階だ。
聞こえてきたのは1階からだった。
「今度は一体なんだってんだー?」
「・・・どうしたら」
「まっ、気になるのは俺様も同じだから。一緒に見に行くか」
「いいのか?」
てっきりここで大人しくしてようといわれるのかと思っていた。
「ここにいたってしょうがねーし?さっきのやつなら、お出迎えにいってやろーぜ?」
「そんな呑気な」
「焦ったっていいことねーって。どうせ、めんどくせーことが起きてるに決まってる」
「?」
ガロットはだるそうにいった。
「んじゃ、いこーぜ」
「ああ?」
ガロットの背中を慌てて追いかけた。
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