第5話 過保護な大悪魔
「アア、レオ。レオ。会いたかった」
この悪魔、大悪魔だったか?
が、なぜ俺を抱きしめてこんなに感動しているのか理解できない。
今日が初対面だぞ?
「なぁ、その。悪いんだけど、どこかで会ったことあったか?」
悪魔と会ったことがあるとか冗談にもほどがある。
「・・・・・・」
「おい?ネビュラ?」
名前を呼ぶが反応がない。
何かやばいことでもいったか?
「・・・・・・憶えていないのか?私のことを」
「憶えていないも何も、今日がはじめてで・・・っ?」
急に抱きしめる力が強くなり、思わず顔をしかめた。
「っ!すまない、痛かったか。そんなつもりじゃなかったんだ、レオ。私はネビュラ。あの時よりも強くなったんだ。姿が少し変わってしまったから混乱させてしまった。ネビュラ、この名前は憶えているだろう?」
「えっと、ネビュラ?どこかで聴いたような・・・」
「やはり、あの時のショックで・・・」
ネビュラは憐れみを含んだ赤い瞳で俺を捉えた。
「あの時?」
一体いつのことだ?
「大丈夫だ。何も心配する必要はない。私が守る。今度こそ。だから、安心してくれ。誰にも渡さない。・・・ベルギオには絶対に」
ベルギオ?
ネビュラはわけのわからないことをいう。
でも、彼の名前といいベルギオという名前といいどこかで聞いた名前だ。
一体どこで聞いたんだろうか?
「レオ、こんなにボロボロに。可哀そうに。怪我!怪我はないか?」
「いや、ないけど・・・」
「そうか、よかった」
「・・・・・・」
目の前の大悪魔は異常だった。
俺に対して過保護な気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます