第2話 どうして女の子に?

 俺の双子の兄貴は、昨日までイケメン男子だったのに、今朝起こしに行くと、アイドル級にめちゃくちゃ可愛い女の子になっていた。

 

(ぐへへ、朝か! そもそも、彼女も居ない俺にとって、揉ませて貰えたのとてもは幸せな出来事でしかない。やっぱり俺はラッキーボーイなのかもしれない! よっしゃあああああああ!)



 嬉しさのあまり、ガッツポーズせずにはいられない状況となり、俺は、わざわざトイレに行くと嘘までついて、一旦兄貴の部屋を出た。


「よっしゃー! 俺はついてる野郎だぜ!」


 トイレの中で一人叫びながらガッツポーズを決めると、また兄貴の部屋に戻った。


「お前、何しに行ってきたんだよ!」


「えーっと、聞こえてました?」


「よっしゃーとか言ってなかったっけ?」


「ぐはぁ、聞いてしまったんだね!」


「一輝、何に対するよっしゃーかな? 良いから 説明しろ」


「べ、別に何でもないよ……えーっと、内緒」


「何で内緒なんだよ! めっちゃ気になっちゃうじゃんか……」


 おれは、兄貴との会話中も、その子が兄貴だと頭で理解出来てるはずなのに、アイドル級に可愛いせいで、俺の胸の鼓動が速くなってるのがわかった。


 どうやら俺は、兄貴であるその子にマジで惚れてしまったらしい。


「雪成! お前どーしてこんなアイドル級に可愛い女の子になっちまったんだよ?」


「其れはこっちのセリフだぜ! そんなこと知ってたら、もうとっとくに 一輝に話してるっつーの! それにしても、今日学校あんだだよな……女の子になっちゃってからなぁ……マジで学校行くのだりいしさ、どーすっかなぁ……俺が学校行くと、皆びっくりして腰を抜かすんじゃないかな?」


「うん、そうだね、でも、身長も低くなっちゃて、声も女の子の声になって、外見がアイドル級に可愛いい女の子になっちゃってるんだもん、皆、そもそも雪成を見ても、雪成だとは思わないんじゃないかな! 」


「そうだよな……鏡の前で見た俺、全くの別人だったもんな、やべぇ、どーすっかな? クラスの皆、俺がこの姿で学校に行ったら、俺だって分かるわけがねーよな! 俺だって話したらどー思うんだろう!」


「兄貴、さっきから聞いてると、喋り方が兄貴のまんまなんだよな……こんな事言うと失礼かもしれないけど、せっかく女の子にまでなって、声まで女の子になってるんだから、とりあえず可愛く喋ってみてよ! その方が俺は可愛いと思うんだけど……」


「しやーねーな、女の子みたく話すのか……できるかわからないけど、やってみるかな」


「そうだよ。せっかく可愛い女の子になってるんだからさ、今まで通りの話し方だと物凄く違和感を感じるよ」


「めんどくせぇけど、とりあえず話し方変更してみるか……えっ、えーっと……ヤバイ、一輝助けて! 私ここからどうなっちゃうんだろう? これからどうしたら良いのかな?」


「兄貴、嫌々姉貴、何か良い感じ! そんな感じで話す方が良いよ! えーっと、これからどーすっかな……」


「ゴラァ、一輝、いいか、俺は女の子になってるかもしれないが、まだ姉貴じゃないから……!」


  兄貴……嫌々、姉貴は、女の子になってるくせに、姉貴になってないと強調してきた。


「ぶはっ、どう見ても女の子なんだから、姉貴じゃないって言われてもだな……」


 俺を見て睨んだが、その顔がめちゃくちゃ可愛くて、俺はドキッとしてしまった。


「お前、俺にドキドキしてるだろ! 俺に惚れるなよ……嫌々、私にドキドキしてるの? 惚れたらイヤン」


「だ、だって、兄貴……姉貴……兄貴? が物凄く可愛いんだもん……」


( 兄貴が姉貴になって調子狂うな……)


 とりあえず、この状況がおかしすぎるから、俺は一階のキッチンにいる母さんの所へ行って話をしに行くことにした。


「ちょっと母さんに話に言ってくるよ。このままで良いわけないんだし!」


「うん、一輝ありがとう。私待ってるねぇ」


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