死の教育

4日目

ーー4日め。みじかめです。

Q4.

　明日、死ぬなら何をしますか？あなたはもう動けません。

　意識ははっきりしていて、話すことはできます。

　最後に会いたい人は誰ですか？今までの人生を振り返り、想像してください。

　(今現在、生きている方であれば誰でも呼べます。)

A4.

　今までの人生で、最も大きな影響を受けてきた人物は、間違いなく両親です。

　ひとりっ子だった僕は、生まれてこの方、親の愛を一身に受けて育ってきました。遊び相手も、話し相手も、何をするにも親でした。

　ですが、死ぬ前日に会いたい人は親ではありません。

　というより、死ぬ前日に、とりわけ会いたい、と思う人がいないのです。

　初日から昨日までの三日間で、僕は半年間の「別れ」の時間を過ごしてきました。

　半年というのは、短いようで、とても長い期間です。

　死ぬにあたり、言葉を交わしておきたい方々と対話するには、十分な時間だったと言えるでしょう。

　心残りも何もなく、とても凪いだ気持ちであることと思います。

　強いて言うならば、両親と、大切なひとに会えれば大満足でしょうか。