イトシア節

乾いた瞳に

まだあなたは

視線を投げ掛ける


嘆くことも悲しむことも

思いのままの人たちは

なんと裕福だろう


興醒めなんて言葉

楽しみの少ない

私の人生には似合わない


どんな微かな面白さも

救い逃さず生き急ぐ

水のような生き方


忘れないと誓ったことすら

忘れてしまう

だんだん手放して

だんだん平気になってく


叫ぶことも怒ることも

満足にできるけど

きっとろくなやつになれた形跡はない


積み重ねたなんて大げさ

やることなすこと

全部同じ場所に落ち着いた


それだけのことだ

残念ながらと言いながら

後悔なんてないくせに

泣いて泣いて

誰かの肩に手を置いて

私もまた、お洒落になっていく

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