第2話 Y教授の戦い

Y教授は、ある討論会に参加する事にした。

「太陽系外の惑星をお金として使用する」という計画を阻止するためだ。


この会は、ステージにいる賛成派の男が会場の人と質疑応答する事になっている。



教授はさっそく質問した。

「これは侵略行為ではないのですか?」

『そもそも、巨人族は酸素がないと生きていけません。

 宇宙空間では狭いし息もできないのです。』

「莫大な数の惑星を失うんですよ?

 人が住めばいったいどれくらい・・」

『失うのではなく貸すのです。

 現にそこまでの人口はいないではないですか。』


「新しく生まれてくる惑星も貸すんですよ?

 この損失は大きい。」

『何か発見できそうな場合は、その惑星は保護します。』


「間違って、人がいる星をワープさせてしまったら大変です。」

『太陽系外の惑星は立ち入り禁止にしますし、ワープの誤差は非常に少ないです。』


「惑星がボロボロになって返ってきたらどうするんですか?」

『その時は、地球のお金で賠償金を支払います。』

「お金で解決ですか。」

『資源には困っていない。』



教授がいくら言っても、何かしらの返答があった。

それは合理的な答えだと思った。

だが、納得いかない。

これは、感覚が古いからなのだろうか?


教授の用意した反対意見は効果がなかった。

そして、お金以上に素晴らしい惑星使用案は思い浮かばなかった。


戦いは教授の負けだった。

太陽系の惑星以外はお金になったのだ。


だが、メモはここで終わらない。

小さな事かもしれないが、予想外の事が起こった。

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