第15話 ズレ
目があう瞬間。
笑顔になるタイミング。
ぴたりと重なっていたものが、すこしずつ、すこしずつズレていく。
相槌を打つ間隔。
会話の温度。
最初は、そうとはわからないくらいのわずかな違和感だった。
その、気にもとめなかったかすかなズレが、いつしかおおきな不快感となって私たちのあいだに横たわっていた。
きっともう、私たちが重なることは二度とないのでしょう。
想いも肌も。
時間も道も。
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