第14話 気づく

 ざわめきのなか

 きみの声だけが

 くっきりと耳に届いたとき


 人ごみのなか

 きみの姿だけが

 はっきりと目に映ったとき


 おいしいものを食べたとき

 きれいな景色を見たとき


 電車のなか

 バイトの休憩中


 一日のはじまりに

 一日のおわりに


 なんでもない、ふとしたときに

 きみがそこにいても、いなくても


 いつのまにか

 きみのことを考えている


 そんな自分に気づいたとき

 ふいに自覚する


 きみのことが、好きなのだと



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