ハーレム作って酒池肉林
というわけで15人の恋人と付き合うことになったわけだが、当然彼女たちは俺のことを知らない。
まずは俺に惚れさせないとな。
理由なんかどうでもいい。とにかく惚れろと念じれば、彼女たちは俺のことを好きになってくれる。
それから、彼女たちが互いにケンカしないようにする。あと、家族や友人が文句言ってこないよう、俺に任せておけば絶対安心だと刷り込んでおこう。
とりあえず初期設定はこんなもんか。他にも色々問題が出るかもしれないが、追々解決していけばいい。
それより早く楽しもう。
高級ホテルを貸し切って、
みんなで豪華な飯を食って
年代物の酒を惜しげもなく開けて、
デカい温泉に浸かって、
そしてベッドイン。
俺は三日三晩かけて15人全員を一人ずつ丹念に愛してやった。
みんな、みんな、本来の俺なんかじゃ一生手の届かない、まさに理想の恋人たちだった。
みんな優しくて、俺のことを、良い部分も悪い部分も全部引っくるめて受け入れてくれて。
独占欲はないのに、浮気は絶対にしない。どこまでも健気に俺だけを愛してくれる恋人。あまりにも俺に都合の良い恋人。
それだけに、一抹の寂しさと罪悪感はあった。
彼女たちの愛は本物ではない。
彼女たちは、もはや操り人形でしかないのだ。
俺が彼女たちを変えたのだ。
…まったく、俺のようなクズでさえこうだってのに、素で愛人囲ったり二股三股かけてる奴はいったいどういう神経してんだ? 悪魔の化身じゃねえのか?
まあ今となっては俺に言えた義理じゃないが。
もういい、嫌なことは忘れよう。
神の力なら自由に記憶を操作できる。わざわざ苦い記憶を残しておく必要はない。
そうして頭をスッキリさせてから、俺は深い眠りについた。神が眠る必要などないのだが、気分的に一息ついておきたかった。
夢は見たくない。
夢はつらいことの方が多いから。
ただ眠ろう。
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