第13話 拘束

仕込みナイフになっている十字架だが、実はナイフが飛び出す反対側にはもう1つ仕掛けがある。


鞭のようなしなりながら破壊を尽くす弦に向かって構えると、俺は念を込め祈りを捧げ。


「神よ、邪悪なる存在を消したまえーー…

聖なる銃弾ホーリーバレット!」


白く輝く銃弾は、物体ではない。俺の念を集めて聖なる力を付与し、具現化したものだ。


それが、銃を撃ったように放たれた。

弦に命中すると、その動きが鈍り。


「もう一発!」


効いているようなので、また念を込める。リアルな銃弾と違うのは、連射出来ないことだ。


その隙を突かれた。いつの間に忍び寄っていたのか?考えてみれば、弦が一本なわけがない。背後から忍び寄る弦が、俺の頚を絡め取り。


「うわッ!」


そのまま、弦は俺の身体を持ち上げた。そして、外に持ち出そうとしている。


息が苦しい。ジタバタもがくが、拘束は解けず。そして外に連れ出された俺は……弦の本体を、目の当たりにする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る