11 さやこさんの一日
今日は私はまさむねさんのお手伝いをしようと決めているの。
「おはよう、まさむねさん。今日は一日あなたのことを手伝いますわ」
キッチンで朝ごはんを作っているまさむねさんに向かってそう声をかけました。
「さやこさん。そうですか。助かります。でも、どうしてですか?」
私のことを見て不思議そうにまさむねさんはそう聞いて来ました。
「別に理由なんてありませんよ。いつもやっていたからならないと気が済まないだけなんです」
笑って私はそう言ったのですわ。
「そういうものですか。私はとても助かるので構いませんよ」
まさむねさんはどこか嬉しそうにそう言った。まさむねさんは空と一緒で表情が無い人だから分かりずらいけど、空よりは分かりやすい。それにまさむねさんは空とは違って心を開いた人には感情を見せるみたいだからもっと仲良くなって気を許してくれるようになれば笑顔を見せてくれるようになるかもしれません。それは少し楽しみですわ。空も笑顔を見せてくれるようになるといいのですが。まあ、気長に待っていましょう。
「ありがとう」
そう言って私は優しく、少し顔を傾けて笑った。慈悲深い聖母のように。
「あっそうだ。僕に日本の家庭料理を教えてくれませんか」
昨日も借りた黒のエプロンを着けて、まさむねさんの隣にたったらまさむねさんが思い出したようにそう言って私の方を見ましたわ。
「日本の家庭料理?私が普段作るやつでいい?」
「はい。それがいいんです」
「そう。それぐらいならお安い御用よ」
「ありがとうございます」
そう言うとまさむねさんが笑ったのですわ。楽しそうに。まだ少しにこって笑っただけだけど、それでも確かに笑った。その笑顔がとても可愛く、料理が好きなのが伝わってきましたわ。
そのあとは2人で朝ごはんを作り、大広間でみんなで朝ごはんを食べたのですわ。
朝ごはんを食べ終わったあとはそれぞれ好きなところに出掛けて行った。海星と夏海人さんはどうやら宝探しに行ったみたい。で、空と天翔さんは凛ちゃんって子を探すみたい。
私はその後もまさむねさんの手伝いをした。まさむねさんは一日中天海の家の事をした。どうやらまさむねさんは天海の家に住んでいるらしい。
掃除をしたりお昼ごはんを作ったり、その時日本の家庭料理を教えたりした。
そうこうしている間に時間は過ぎ、日が傾き始めた。すると、みんな外から帰って来てみんなで夜ご飯を食べた。
そうして今日も終わった。この島での暮らしはなかなか悪くない。
のんびりしていてみんなが笑顔で幸せそうで、本当に楽園は存在したんだって感じね。
ずっとこの島で暮らしていたいくらい。
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