4 誰かが神の島に
海で貝を採っていたら、どこからか小舟が現れたの!
私、びっくりしちゃった。だってこの神様の張った結界の中に人が入ってくるなんて今までなかったんだもん。
まあ、でもあの
あっちなみに私は凛。この名前は神様がつけてくれた名前なの。そして私はアマビエ。この島では
私はパステルピンクの髪に同じ色の猫の耳が付いていて、青色の瞳に、体の下半身は人魚と同じで魚になってるの。そして、鱗は綺麗な水色をしていて、太陽に反射してキラキラしているの!とってもきれいなんだよ!そして私は人魚たちとは違って尻尾の先は3又に分かれてるの。
だから私は猫と魚と人間のハーフってところかな。ん?3つ混じってるのだからクオーター?
まあ何でもいいんだけど。それより神様に連絡しておいたほうがいい感じだよねー。何かあったら困るし。
「天海様。あのー聞こえてるー?おかしなことが起きてるんですーちょっと神様?返事してくださーい」
私たちは基本的に携帯を持ってはいないの。だから神様と連絡を取るには神様の名前を呼べば神様につながるのだー!でも、全然反応がないってことはまた寝てるのかも。まだお昼だっていうのにね。
「ふぁー。ん?あぁ?なんだぁ?凛か?なんだ。まったく。起こさないでくれ」
神様は綺麗な白いようなシルバーのような髪に金色と青色のオッドアイに一年中白のTシャツにジーパンを穿いているの。それも寝る時もなんだよ。ちょっとおかしいよね。
「やっぱり神様、寝てたんですね。もう神様寝すぎじゃないですか?寝すぎるのも体に悪いと思うますよ?」
「はぁ?別にいいだろう。俺は神なんだ。好きな時に寝る。それに俺は神なんだ。体に悪いもくそもねえだろうが」
「あっ確かに。ってそんなことより大変なんですよー」
「なんだ?早く言えよ。俺は早くまた寝たいんだ」
「あっえっと。それが結界の中に誰か入ってきてるみたいなんですー」
「はぁ?だからなんだ?別にそんなことぐらいたまにあんだろ。なにが大変なんだ?」
「それがいつもと違って入ってきてるのは人間みたいなんです」
「人間だぁ?なんでだ?」
神様なんだかイライラしてるみたい。私は起こしちゃったからかな。
「余計なことは考えなくていい。それよりなんかわかる事ねぇのか?」
もしかしてこんなに離れてるのに私の心読めちゃうの?神様って怖いね。ってもしかしてさっきおかしいって言ったのも聞こえちゃってたのかな?まっいっか。
「えーっと。うーん。もう少し近づいてみるね」
「あぁ。気を付けろよ。なにがあるかわかんねぇんだから。こんなこと今までになかったしな」
神様はなんだか真剣そうな声でそう言った。
「うん。分かったー」
そう言うと私はその小舟に少し近づいてみた。すると、その小舟に人間以外が乗っているのがなんとなく分かった。でも、姿は見えなかった。
「なんかいるな」
どうやら神様は私の目を通して全部見ていたみたい。
「やっぱり、そうだよね。なんか神様に似た感じがするんだけど気のせいかな?」
「どうだろうな。ここからじゃよくわからんな」
きっと神様はいつものようにあの島の中心に建っている神様の家の大きな畳の広間で寝転びながら海を眺めているのだろうね。そう考えるとなんだかのどかで平和だねー。
「どうします?追ったほうがいいですか?」
「どうせこっちにくるんだろ。まぁでも一応、追ってくれ。あまり近づかなくていい少し離れたところから見失わないようにしてくれ」
「了解でーす。それにしてもなんで結界の中に入ってこれたんでしょう?そういえばなんだか様子がおかしいんですよねー」
「どんな感じなんだ?」
「神様、私の目を通してみてるんですよね?わかんないんですか?」
「なんか白い霧のようなものに包まれててよく見えねぇんだよ」
「なんでなんですか?」
「さあ分からん。もしかしたらその船に神が乗ってるのが関係してんのかもしんねえが。でも、それ以外の力が原因かもな」
「それ以外ってなんですか?」
「さあな。で、どんな感じなんだ?詳しく教えろ」
「うーん。なんというか生気がないというか意思がないというか。とにかくなんかおかしいんですー。あの船には4人ぐらい乗っているみたいなんだけど、誰の話声も聞こえないんだよ。それっておかしいでしょ?」
「あぁ確かにそれはおかしいな」
「なんでなんだろう?」
「誰かに操られてこの島に入って来たのかもな。だとしたらちょっとやっかいかもな。まぁだとしたら彼らはただ操られてここに入ってきてしまっただけになるな」
「だったらあの人たちに罪はないよね?」
「ん?まぁそうだが。だったらなんなんだ?」
「だって神様、人間の事嫌いなんでしょ。だから勝手に人間が入って来たのだとしたら神様何するかわかんないから」
「はぁ?いつ俺が人間が嫌いなんて言った?」
「えっ嫌いじゃないの?でも、この星ノ島には人間はいないじゃん」
「別にそれは関係ねぇよ。それに俺が勝手に裁くわけねぇだろ!俺にそんな権利はねぇよ」
「そうなんですか?じゃあ、あの人たちどうするんですか?」
「とりあえず、話を聞いてみねぇことにはなんも言えねぇな。まぁ本当はこの島に入れないほうがいいんだろうが。結界の中に入られちまったからな。もうきっと手遅れだろうな。だったら仕方ねぇ。とりあえず、様子を見るしかねぇだろう。まったくめんどくせぇ。俺は寝るからな!」
神様はまたイライラしているみたい。神様はめんどくさがりだからなー。なんだかとてもめんどくさいことが起きてるみたい。
神様はそう言うと通信を切ってしまったみたいでもう何も聞こえてこない。
「うーん。で、私はこのままこの船を追っていればいいのかなぁ?」
まぁとりあえず見失わないように遠すぎず、近づきすぎない距離を保って船を追っていた。
するとすぐに島の海岸が見えてきた。その船は真っ直ぐそっちに向かっていた。
そしてその船はいよいよ星ノ島の海岸に辿り着いて船は止まった。
「うーん。どうしようか?」
船が止まってしまってもっと近づいてみようかどうか迷った。この船には神が乗ってるかもしれないし。前に神様が神の中にもいいものと悪いものがいるって言ってたし。もし悪いものだったらどうしよう?
「凛。お前はもういい。皆のところに戻ってろ」
私がどうするか迷っていたら急に神様の声が頭の中に響いた。きっとずっと見ていたのね。寝るなんて言ってたのにあれは嘘だったんだ。なんだかんだ言っても神様は神様だよね。
「でも、あの人たちどうするの?」
「あとはまさむねに任せる」
「まさむねさんが。それなら安心ですね。じゃあ、私は戻りますねー」
「あぁ。助かったよ。ありがとう」
神様はそう言うと切ってしまった。毎回毎回勝手に切っちゃうんだよね。でもちゃんとありがとうって言ってくれるから憎めないんだよね。なんか嬉しくなっちゃったー。イェーイ!私って単純すぎかな。それだけでこんなにテンション高くなっちゃうなんてー。
「早くかっえろー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます