利点05. 「射程が長い」
DEX極振り無課金ライト層へっぽこプレイヤーことStrawberryEater427とその協力者ImitationCat145は、2人のレベルでは適性ギリギリの草原エリアにやってきた。2人のレベルで、ということは、2人のステータスでは完全に適性を越えていることになる。
「【拳銃】が剣に比べて優れている点。それは射程だ」
「それはそうですけど、遠くの
「そこで、これを使う」
StrawberryEater427がインベントリから取り出した物、それは。
「【爆弾剣】じゃないですか。【拳銃】は諦めたんですか」
【爆弾剣】。それは強い衝撃を与えると武器の攻撃力分の固定ダメージを与える、消耗品の剣だった。
「ふふふ、ピヨコくん。私は諦めてなどいないさ」
「じゃあ何です。大砲でも作るんですか?」
大砲。それは公式に認められた、つまりシステムで定義されたアイテムではない。一部のプレイヤーが開発した、【爆弾剣】と物理演算を駆使して【鉄球】等の耐久値が高い剣を飛ばす一発芸だった。
「それは【拳銃】ではない。まあ、見ていたまえ」
StrawberryEater427は次々に取り出した【爆弾剣】を一定間隔で地面に突き立てて行く。100本の【爆弾剣】が並ぶ様は、まるで
「この【爆弾剣】はいずれも私のDEXでオート製作した高品質~最高品質の剣を、合成でそこそこ強化した代物だ。攻撃力はそこらの
「えええ。勿体ない。消耗品ですよそれ」
「最後にこれだ」
そう言って取り出し、剣の群れの中央に突き立てたのは。
「【魔寄せの剣】……」
「さあ、急いで離れよう! 直に、剣に惹かれた連中が集まってくる」
装備または設置することで、周囲の
「随分集まりましたね」
「後はこの【拳銃】で【爆弾剣】の1本にでも衝撃を与えれば、後は連鎖的に誘爆するという計さ……」
くぐもった、破裂音。
踏み折られた【爆弾剣】が爆発し、次々に周囲の【爆弾剣】を巻き込んでいく。
草原には炎の大輪が咲き、空は赤く染まった。
焦土に残されたのは、ドロップアイテムのみ。
「ふむ。やはり私による攻撃判定がなかったから、EXPは入らないか」
「シズナさん、これで戦えるんじゃないですか。【拳銃】いりませんよ」
「ふふふ。この方法は手間もかかるし、資金の浪費も激しい。二度と御免だよ」
「【拳銃】で起爆してても、そこは変わりませんよね」
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