恋を売るということ

@amagaeru0620

プロローグ

そう、きっとそれは一目惚れだった。

学校へ続く並木道を堂々と歩く君の姿に、さらりと長い黒髪に眼を奪われたのだ。

道の両側に咲き誇っている桜が、花びらを一枚落として、君の髪のうえにのせる。少し、赤みのさす、白いそれは君に良く似合うのだと、ただ、そう思った。

だからこそ、花びらを嫌って走り出した、君がポトリと落とした、この名刺が、酷く僕に衝撃を与えたのだ。


−レンタル彼女−

御神 葵


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