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2020年5月25日 07:50
もし、この切なさに味があるとしたら…。ドライフルーツ入りの甘酸っぱいチョコレートとコーヒー。情景描写に登場するアイテムのセレクトが秀逸でした。人は、未知や初めて出会うものを恐れる生き物ですが、どうにかカテゴライズして、過去の類型の中に安心を求めようとします。そこで意図せずイリュージョンが発生し、時に自他を傷付けてしまいます。当事者にしか見えないリアリティを他人が共感しようとして起こる悲劇。作品の深部にそうしたメッセージを感じました。改めてゆっくりと描写を楽しみたい作品でした。ありがとうございました。
作者からの返信
拙作へのご高覧及びコメント、レビューまでどうもありがとうございます。このカップルは愛し合ってはいるけれど、語り手は死別した夫と流産した娘の思い出を引き摺っているし、環の側にも口にはしなくてもそうした本人の中の感慨があるはずです。二人で楽しむプラリネチョコレートとコーヒーもそうですが、通信添削で一人だけ別の正解を書いた女生徒やバス停に咲いた紅でも白でもない梅などにも複雑なセクシュアリティを持つ語り手の想いを重ねたつもりです。繰り返しになりますが、コメントどうもありがとうございました。
もし、この切なさに味があるとしたら…。
ドライフルーツ入りの甘酸っぱいチョコレートとコーヒー。
情景描写に登場するアイテムのセレクトが秀逸でした。
人は、未知や初めて出会うものを恐れる生き物ですが、
どうにかカテゴライズして、過去の類型の中に安心を求めようとします。
そこで意図せずイリュージョンが発生し、時に自他を傷付けてしまいます。
当事者にしか見えないリアリティを他人が共感しようとして起こる悲劇。
作品の深部にそうしたメッセージを感じました。
改めてゆっくりと描写を楽しみたい作品でした。
ありがとうございました。
作者からの返信
拙作へのご高覧及びコメント、レビューまでどうもありがとうございます。
このカップルは愛し合ってはいるけれど、語り手は死別した夫と流産した娘の思い出を引き摺っているし、環の側にも口にはしなくてもそうした本人の中の感慨があるはずです。
二人で楽しむプラリネチョコレートとコーヒーもそうですが、通信添削で一人だけ別の正解を書いた女生徒やバス停に咲いた紅でも白でもない梅などにも複雑なセクシュアリティを持つ語り手の想いを重ねたつもりです。
繰り返しになりますが、コメントどうもありがとうございました。