第7話 妹よ
白馬は、藤原兄妹が他愛もない会話をしているのをじっと聞いている。
(はは、まだまだ子供だな)
メシヤはどうやらチャリスを見つけたようだ。
だが、厄介な奴があらわれた。ダニエルである。
(簡単には帰らしてくれなさそうだな)
忍務中の白馬は様子を注視する。
なにか二言三言話したその直後、
ダニエルの側近がマナの手を掴み拘束した。
(あの野郎! もし怪我でもするようなことがあったらタダじゃおかないぞ!)
ダニエルが上を少し見上げた。
“殺気”というものは、目には見えないが空気中を通って確実に相手に届く。
メシヤの絶叫が聞こえたかと思うと、マナは解放された。
(ふう、まずは一安心だな)
泣く子もさらに泣き叫ぶダニエルだが、メシヤには心を許しているのがうかがえる。白馬もメシヤを見るのは今日が初めてなのだが、会話のやり取りを聞いていてボスの深遠なる良謨を垣間見た気がしていた。
長々と話すメシヤとダニエルだったが、三種の神器について白馬の知らなかった情報が盛り込まれていた。白馬にとっては大収穫だった。
ダニエル一行が帰ると、マナがメシヤに抱きついて泣きじゃくっていた。
「妹、か・・・」
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