第27話 これはメアリーが私の乳母になる前の物語。渡り鳥の子守唄。春を迎えられなかった息子を思い、メアリーは涙するのです。

クロウカシス地方の子守唄は、渡り鳥に遺族の思いを託した歌だ。


哀切な調べで、愛する人の魂が鳥の翼にのり天に帰ることを願うこの唄が、幼い頃のメアリーは嫌いだった。大好きな父と母が、自分を置いて遠くに行ってしまうような気がして、耳をふさいでうずくまり、絶対に歌を聴くまいとした。添い寝する母親をずいぶん困らせたものだ。


そんな自分が、今、子供を寝かしつけるのに、この唄を口ずさんでいる。


「ヨシュア・・・・もうそろそろ、ねんねしない?痛っ!!いたいって!!こらっ、かあさんの髪はオモチャじゃないのよ」


「アーアー、マーマー」


もっともあまり効果はなく、今も息子のヨシュアは自分の髪を引っ張っる遊びに夢中だ・・・・

メアリーは苦笑した。

自分に子守唄の才能はないらしい。

子守唄を歌うと逆に元気いっぱいになって笑い転げるのだから・・・・


「よおし、そっちがその気なら、こっちもくすぐっちゃうぞ。ねんねしない悪い子は・・・・・ここかっ。ここかっ」


メアリーは諦め、くすぐり攻勢に出た。

身をよじって、きゃっきゃっと明るい声をたてるヨシュア。

いいようにもて遊ばれている気がしないでもない・・・・・


それでも一頻り遊ぶと、寝付きのいい息子のヨシュアはすぐに健やかな寝息をたて、幸せそうな顔で眠りにおちた。さっきまで、あんなにころころ笑い転げていたのに、とメアリーは顔をほころばせ、起こさないよう気をつけながら、そっと立ち上がり、裏庭の井戸に水を汲みに行った。


クロウカシス地方の冬は厳しい。長い間雪に閉ざされ、戸外に出ることもままならない。雪と氷の白と曇天の灰色、吹きすさぶ風に閉ざされた世界だ。メアリーとヨシュアは寄り添って二人きりの冬を越した。


ようやく訪れた雪解けの季節、これから大地には新芽が萌え、緑の色が大地を潤していくのだろう。いろいろなものを、やっとヨシュアに見せてあげられると思うと心がはずむ。


父と母は早逝してしまったが、その思い出と教わったことは今も自分を支えてくれている。

子守唄もそのひとつだ。いや、あまり役には立っていないかも・・・・・・


幼馴染だった夫からもたくさんのものを与えてもらった。


幼い頃はいつも後をついてまわっていた。兄妹のようだとよく母親にからかわれたものだ。世話好きの彼は、わがままにも、いつも嫌ごとひとつ言わずつきあってくれた。見守ってくれた。両親に死に別れたとき、絶望していた自分を陰日なたとなく支えてくれたのも彼だった。


感謝の気持ちは、やがて淡い恋にかわった。


何度も気持ちを告白しようとしたが、口にする勇気があと少しのところで持てず、その度にひどく落ち込んだものだ。思いがけず彼から求愛を受けたときの感激は今でも忘れない。ふたりはお互いがずっと想い合っていたとはじめて知ったのだ。不安だった日々を埋め合わせるかのような恋をし、結ばれて夫婦になり、やがて子を授かった。


彼はメアリーの懐妊に踊り上がって喜び、少しでも稼ごうと危険な仕事に出かけ・・・・・事故に巻き込まれて亡くなった。


村の若衆のなかでは目立つ人ではなかった。祭りで騒ぎ立てる仲間たちから一歩離れたところでほほえんでいる、そんな寡黙な夫だった。けれど誰より優しく、他人を気遣える人間だった。メアリーが体調の不良を隠していても、そんなときはいつもより早起きし、いつの間にか朝食の用意をしてくれていた。メアリーが風邪をひくと、みっともないくらいおろおろし、自分の着ている服まで脱いで、メアリーを温めようとしてくれた。


思いだすと、つい笑みと涙がこぼれる。


優しい人たちと、それに関わる記憶は、とても懐かしく美しい。亡くなったばかりのときは、悲しみばかりが先にたったが、それでもやはり思い出はかけがえのないものだ。生きる支えになってくれる。今はそう思う。


自分もそんな思い出をたくさん息子に与えてあげたい。空を、花を、川のせせらぎを、揺れる黄金色の麦穂を見せてやりたい。たくさんの愛情を注いであげたい。

この家には父親もいない。裕福でもない、そんな自分が与えてあげられるものは、思い出しかないのだから。


「わたし、がんばるね。ヨシュアと一緒に・・・・・だから、心配しないでね」


メアリーは空を見上げ、亡き夫の名前を呟き、そう語りかけた。

優しかったあの人は、そう言葉にしないと心配で、きっと天国に旅立てないだろう。

最期まで自分を案じていたあの人。

体中骨折して傷だらけでも、とうとう痛いとはひとことも漏らさなかった。


「もう君を守れない。約束を破ってごめん。ごめんよ」とそればかりを繰り返していた。


男として生まれたからには、好きな女の子の笑顔を一生そばで守りたい、それが彼がメアリーにプロポーズしたときの言葉だった。いつもの彼に似合わない妙に勇ましい台詞に、思わず吹き出したものだ。けれど実直な彼は生涯その約束を違えることはなかった。


・・・・・だからって、そんな早く先に行っちゃうなんて、まるで詐欺じゃない。

私、そんな約束破ってもらっていいから、もっと長生きしてほしかったんだよ。

いつかあの世に行ったら、うんと抱きしめてくれなきゃ、許してあげないんだから。


メアリーは亡き夫に心の中で文句を言った。

臨終のときを思い出し、涙が出そうになった。


身籠ったメアリー一人を残して逝くことを何度も詫びた。一緒に過ごした日々がどれだけ幸せだったかと感謝した。自分のことは忘れて、早くいい人を見つけ、再婚してほしいと哀願した。そして親子三人でこれからしたかったことを、ぽつりぽつりと呟きながら、息をひきとった。


きっと、もっとたくさんのことを伝えたかったのだろう。寡黙だった夫は、メアリーの手を握ったまま、苦しい息のした、命が消えるまで語りかけをやめなかった。心残りがあったのだろう。死に顔には悔し涙が浮かんでいた。


寂寥感を押し殺し、メアリーは顔をあげた。


だいじょうぶよ。私、ひとりぼっちじゃないもの。

ヨシュアがいる。ヨシュアの中には、あなたも生きている。

私は、あなたにたくさんのものを貰ったの。

私ね。あなたと暮らせて幸せだったんだよ。

だから、もう泣かないで。謝らないで。

寂しくなんかない。私は思い出の中で、あなたにも笑っていてほしいの。

その笑顔で、思い出で、くじけそうになったときは私の心を優しく押してね。

私がヨシュアと一緒にがんばっていけるように・・・・・・・


「・・・・・なあんて、まだまだ私も乙女してますね!!」


メアリーはおどけるように声をあげた。


「さあ!!今日もがんばらなきゃ!!」


腕まくりして気合いを入れなおすと、メアリーは水をいっぱい入れた手桶をぶら下げ、家に戻ろうと歩き出した。ヨシュアがおむつかぶれしないように入浴はかかせない。といっても、大きめの木桶の中に人差し指の高さ分ほど溜めた水ですませるだけなのだが。それでも、やわらかい乳児の皮膚には、すすぎのような入浴でも大切なものだ。メアリーのせめてもの親心だった。ほんとうはお湯につけてあげたいのだが、来客もいないのに大量の湯を沸かす薪を使えるほど、メアリーに余裕はなかった。


でも、もう春が訪れる。これからは冷たい思いをさせずに済む。

陽だまりの温かさを早く体験させてあげたかった。


春よおいで、早くおいで、と鼻歌を歌いながら、今日一日の段どりを考えつつ、家に戻ろうとしたメアリーは立ちすくんだ。

家の出入口からぬうっと巨大な影が現れた。

まっくろな闇が溢れだしたかのようだてった。

思いがけぬ急な出現にメアリーは心臓が止まるかと思った。


今は飼ってこそいないが、馬の厩舎と居住空間がくっついた家だから、家畜が通り抜けられるよう門口は広い。その門口を窮屈そうに巨大な獣がくぐり出てきた。熊のいないこの地方では、牛や馬以外にそんな巨大な生物にお目にかかることはない。近所の家畜が間違って迷い込んだのかと思った。

だが、ぞろりと並んだ巨大な牙とその間にぶらさげられた愛息のヨシュアの姿を見て、メアリーは自分の間違いを悟った。信じられないくらい大きな犬に、自分の息子が咥えられていた。ヨシュアはぐったりしていた。健康的な赤い頬はすでに血の気を失っていた。


手桶が地面に転がった。水がばしゃりと広がる音がどこか遠くで聞こえた。


「ヨシュア!?」


ついさっきまでころころと楽しそうに笑っていた息子は、ぴくりとも動かない。

 突然の悪夢に目の前が揺れ動く。氷柱が胸に突き立った気がした。頭の中がまっしろになった。

息子の名前を呼びながら、メアリーは転がるように駆け寄った。


「ヨシュア!!」


がむしゃらに手を伸ばそうとした。巨大な牙の正面から飛びつこうとした。


「わしのかわいい子の食事を邪魔するな。無粋なやつめ」


片目のせむし老人が遮るように進み出て、メアリーの頭を杖で殴りつけた。


「・・・・・っ!!」


目の前に火花が散った。それでも怯まず杖を握りしめ、押しのけようとしたメアリーの顔が蹴り飛ばされた。杖を離そうとしなかったメアリーは、まともにその蹴りを受けた。がくんっと首がのけぞった。頭と鼻から血が流れ出る。メアリーはそれでも怯まず、前に出ようとした。


メアリーはこのとき知らなかったが、老人は「魔犬使い」と呼ばれる犯罪者で、怪物は子供殺しを専門にする魔犬だった。その魔犬ガルムの訓練とモチベーションの維持を兼ねて、犠牲者を物色していたのだ。ヨシュアはその毒牙にかかったのだった。


「しつこい、たわけが。もう子供はとっくに死んでおるわ。少しガルムが咥えただけで頸骨が折れてしもうた。今さら駆けつけても無駄よ」


老人は冷酷に吐き捨て、諦めずヨシュアに手を伸ばそうとするメアリーを、何度も何度も蹴りつけた。暴力を日常茶飯事にしている容赦のなさだった。メアリーはひかなかった。老人の言葉など耳に入っていなかった。血をぬぐおうともしなかった。幾ら蹴られようおかまいなしだった。ひたすら子供を取り返し、抱きしめることしか頭になかった。


「ヨシュアを・・・・・・かえして・・・・!!かえしてよ・・・・・・!!」


その母親の執念に、さしもの魔犬使いもたじろいだ。後退りし叫ぶ。


「な、なんとしつこい!子供などまた後で何人でも産めばよかろうが!!ガルム、とっとと食事を終わらせろ!!」


巨大な獣の牙が鳴った。だんっとヨシュアの身体を打ちつけた。咀嚼する音が響く。


「ああああああっ・・・・・・!?」


悲鳴をあげ、メアリーは魔犬使いを突き飛ばした。

女の細腕とは思えない力に不意打ちされ、魔犬使いは尻もちをつく。


「やりおったな!!ガルムよ!!その女に子供の屍骸を突きつけて、現実をわからせてやれ!!」


醜態をさらした魔犬使いは激昂し叫んだ。


「ヨシュア!!」


駆け寄ったメアリーの足元に、魔犬ガルムはヨシュアの残骸を面倒臭そうにに放り捨てた。メアリーは飛びつくようにそれを抱きしめた。かき集めた。ひどく食い散らかされていて、右半身はほとんど失われていた。血まみれの塊だった。もう息をしていないのは明らかだった。


「ヨシュア・・・・!!かあさんが今、助けてあげるからね・・・・だいじょうぶ!きっと助かるよ・・・・・だってヨシュアは強い子だもの・・・・」


それでもメアリーは、ヨシュアが再び目を開くことを信じた。

ヨシュアの顔の血を懸命に服で拭い、語りかけ続けた。。


「はん、かろうじて顔が半分残った状態で、助かるもなにもあるか。とっくに死んでおると言うとろうが。手こずらせおって」


思わぬ抵抗に不覚をとった魔犬使いが苛立たしげに悪態をつく。

メアリーは気づきもせず、必死に呼びかけ続けた。


「ヨシュア・・・・・起きて。ねえ、起きよ。寝てるんだよね?だから、そろそろ起きよ。ねえ・・・・ほら、かあさんの髪で遊んでもおこらないから・・・!」


息をしていないのではない。寝ているだけなのだと、そう思いたかった。


「・・・・いつもみたいに引っ張って遊んでよ・・・・笑ってよ・・・・!!」


震える指で髪の束を握らせようとしたが、ヨシュアの小さな手はすりぬけ、力なくだらりと垂れ下がった。


「・・・・・ちっ、いつまでもやっておれ。まったく女は頭が固いわい。いくぞ、ガルム」


呆れたように吐き捨てて魔犬使いは背を向けた。気圧されて額に汗が浮かんでいた。

のそりと魔犬ガルムも後に続く。

あとには甲斐のない介抱を続けるメアリーと、揺さぶられるのにまかされるヨシュアの小さな亡骸だけが残された。


「ちょっとだけでいいの・・・・目を覚ましてよ・・・・・おねがい・・・・・ヨシュア!!・・・・いつもみたいに、かあさんに笑ってよ・・・・ねえってば・・・・!」


メアリーの悲痛な呼びかけが、いつまでも空しく続いた。


・・・・・・・・・・


ヨシュアの葬儀は、村の人々が手配してくれた。

放心状態のメアリーは、ヨシュアの亡骸を取り上げようとすると、狂ったように泣き叫び、かたく抱きしめたまま、手離そうとしなかった。その哀れさに、参列した者は皆、涙を流さずにはいられなかった。

墓地に埋葬されたときには、ある程度自分を取り戻していたが、それでも墓の前に跪いたまま、一晩そこから動こうとはしなかった。


だが嘆いていても時間は止まってはくれない。

泣いているだけでは、遺された人間は生きていけない。それが許されるのは、一部の恵まれたものだけだ。いつまでも構っている余裕は周囲にもない。皆、日々を生きるので精いっぱいなのだ。

メアリーもやがて表面上は平静を取り戻した。

一か月後には、以前と同じ日常生活をおくっていた。

人と冗談も交わせるようになった。

悲しみを忘れたのではない。

忘れられないからこそ、人は明るく振舞わねば生きていけないのだ。


・・・・・・・・・・・


その日は、眩しいくらいあたたかい日だった。

凍てつく冬はとうに消え、春の光が視界いっぱいに広がっていた。


晴天を無駄にしないよう、メアリーが目を細めながら洗濯ものを干していると、庭先に猫の仔がひょこりと顔を出した。好奇心旺盛な性格らしく、小首をかしげメアリーのほうに寄って来ようとする。


「あら、はじめて見る顔ね。引っ越してきたの?おかあさんは?」


思わず顔をほころばせて手を伸ばしかけると、慌てて飛び出してきた親猫が、ぱっとその首を咥えて持ち上げた。警戒もあらわにじろりと見上げられ、メアリーは苦笑した。


「だいじょうぶよ。なにもしないから。ねえ、ヨシュア・・・・・・・」


反射的に足元に声をかけ、はっとなった。ヨシュアを入れたベビーバスケットを足元に置き、話しかけながら家事をしていた頃の癖がつい出てしまったのだ。振り向くと、今も息子がきゃっきゃっと機嫌よく笑っているような気がした。そのベビーバスケットは今は決して目につかないよう、納屋の奥深くしまいこんでいる。


垣間見えた幸せだった過去の幻は、指を止めるほど、切なく鮮やかだった

立ちすくむメアリーの手から、洗濯ものがずり落ちた。


「・・・・・やっちゃった・・・・ヨシュアはもう、ここには、いないのに・・・・」


ぽつりと呟く。

落下した洗濯ものがばさりとと広がる。

びっくりした親猫は仔を咥えて、茂みの中に飛び込み消えた。

メアリーはうつろな目で、洗濯ものを拾い上げ、土をはらった。


「今日は天気が良くてよかった・・・・!おかげで、やれる事が、たくさん・・・・・・」


元気いっぱいに張り上げようとした声がかすれた。

歩き出そうとした足が止まる。

メアリーの肩が震えた。


冬は終わったが、父も母も、夫も息子も、喜びを分かち合いたかった家族は、もう誰もいない。ひとりで迎えた春のあたたかさに、胸がきりきりと痛んだ。


〝ねえ、ヨシュア・・・知ってる?春ってね。とてもあたたかいんだよ・・・・〟


息子にそう笑いかけた日のことを思い出す。


〝春になったら、かあさんと一緒に外にお散歩に行こうか。かあさんの髪なんかより、もっとすてきな芽や花がいっぱい生えてるんだから。ほら、にょきにょき~〟


指を土から出てくる新芽に見立てて、ヨシュアの目の前で動かした。

言葉の意味もわからないまま、ヨシュアはメアリーの指を掴み、嬉しそうに笑った。


ヨシュアのぬくもりが、声が、笑顔が、強く握り返す感触が、脳裏によみがえってしまい、メアリーは立ちすくんだ。


「・・・・あ・・・・・」


メアリーは小さく声を漏らした。

無理につくった笑顔の頬を涙が伝わった。


冬の寒さしか知らずに逝ってしまったヨシュア。

春の幸せを迎えられなかった息子。

ヨシュアをいつも寝かしつけていた子守唄を、メアリーは無意識に口ずさんだ。


歌うたびに元気いっぱいにはしゃぎ、笑い転げていたヨシュア。


ヨシュアの魂は、鳥の翼にのって、天にたどりつけたろうか。

優しい夫のそばに行けたろうか。

天国でむずからず、安らかな眠りにつけているだろうか。


こらえていたものが決壊した。


「・・・・・・ふぐっ・・・・・うっ・・・・・あああああっ・・・・・!!」


洗濯ものをぎゅっと抱きしめ、メアリーは泣き崩れた。

ヨシュアを寝かせたこともある白布だった。


ひとりで座れるようになった。

いろいろなことが出来るようになって、成長の速さに目を見張っていた。

これからだったのに。なにもかも、これからだったのに。

いろいろな幸せを与えてあげようと思っていたのに。

それなのに・・・・・・・・・!


「私・・・・・ヨシュアに・・・・なにも・・・してあげられなかった・・・・!!・・・・・守ってあげられなかった・・・・!!・・・・ごめん・・・・ごめんね・・・・!」


後悔の嗚咽が哀しく響く。慰めてくれるものも、笑い返してくれるものも、ここにはいない。命が芽吹く春の匂いをのせ、そよ風が流れる。メアリーがヨシュアに見せることを待ち望んだ美しい緑が、感じてもらいたかった春の日差しが、戸外には、どこまでも穏やかに広がっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る