リア充様は来世でもリア充か

冴えないkitoki

プロローグ

その日、俺は日直だったため遅い時間まで担任の教師の手伝いをしていた。

そのため、帰宅部の俺は暗い道を一人で歩く羽目になった。

俺の家は山の麓にある。

俺は、警戒心は強い方だと思うので慎重に辺りを見回しながら歩いていた。

動物にでも襲われたらたまったもんじゃない。

ふと物音がしたので横を見ると暗い公園のベンチに、誰かが座っていた。

目を凝らしてみる。

すると、その人物は学校1の完璧美少女、小桜 芽衣ということに気付いた。

何故学校の有名人がこんな所に居るのか、夜遅いし危険だろなどの様々な思いが浮かんだ。

声を掛けようか、とも思ったが結果的に何もしないことにした。

陰キャを極めた俺に話しかけられても困るだろうし、同じクラスだが名前すら知られてないだろう。

だったら、無視するのが一番だ。

帰るために前を向き、歩き出す。

突然、後ろから荒い呼吸と足音が聞こえた。

驚き振り向くと黒いパーカーを着た人物が、公園の路地に入っていった。

嫌な予感がする。言葉では表せないほど強い違和感がある。

俺からはあの人物が光っているものを持っているようん見えた。

あの人物が手に持っていたのはナイフじゃないか?

走っている男に小桜は気付かずに、空を見上げている。

俺は全速力で駆けだした。

もしその人物が小桜の友達だったり、ただランニングしている男なら謝れば済む。

今はとにかく最悪を防ぐ。

「小桜あああ!逃げろ!」

大声で叫んだ。

小桜はようやく向かってくる人物に気付き、ベンチから腰を上げた。

顔が恐怖でひきつっている。

このままじゃ、間に合わない。

一か八かだ。

俺は小桜と人物の間に割って入った。

突然襲ってきた痛み。自分の腹を見ると、ナイフが刺さっていた。

視界が朦朧とし、立っていることもできずに俺は倒れこんだ。

「小桜、逃げろ」

俺は人物の足首を掴んだ。




そこで俺の記憶は終わった。

思い出を振り返る暇もなかった。


そうして俺は死に、転生する。

美少女とともに。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リア充様は来世でもリア充か 冴えないkitoki @kai_tunndere

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ