第6話 私

想像しにくいんだろうけど中身は空気が読めない蛭子さんが正解。

蛭子さんは漫画が描ける才能もあるし、扶養家族もいるけど私には何もない。

父の母、つまり私の故祖母は

・嘘をあたかも事実であるかのように話すのがうまい。

・いつも父の給料日にたかりにやって来た。

と母は言い、姑を忌み嫌っていた。祖母が亡くなるまで二、三回しか会った記憶がないのも同じ理由だろう。

私もその血を継いでいるかもしれないw

父の父、つまり私の故祖父は

・私と顔が酷似しているらしい。

・性格は冷淡で、何を考えてるのか察するのが難しい陰気な人だったらしい。

・唯一、祖父が泣いてるのを見たのは、父が故郷を離れる時だったらしい。

会ったことも写真もない祖父のことなど、私にとってはどうでもいい昔話だったが、なぜか覚えている。

父には無口で冷淡に見える私は、祖父とダブって見えるのかもしれない。

祖父や祖母を見て自分の子供はこうならないと思い込んでいる父はおかしい。

結局、似たり寄ったりなんじゃないかw そんな家族が嫌いだから逃げだしたのに、なぜ家族を作ろうと考えたのか?

矛盾している。父は私が自分と同じだと思い込んでいるのでは? 根本から違うんだよね。

できれば私は生まれたくはなかったし、生まれるなら一人で生きたかった。

私の馬鹿な人生に巻き込まれた自分(父)が不幸だと考えてるでしょ? お互い様なんだよね。

私だってキチガイな父の人生に巻き込まれてるんだからw

父の浅慮な決断のせいで生まれて来たんだから。

一人になって思う。こんなに何も考えず生きてる人もいるんだって。

本音を隠して裏切られないように注意し、表層は何も考えてないように装う苦しさを知らない人もいるんだってね。

小2のトラウマ以降、自身も気づかないまま私は徐々に閉じこもっていった。

家族が私の変化に気づかなかったのはただ無能なだけ。あれもこれもそれも全部演技だったんだよ。嘘だったんだよ。

これも生粋の詐欺師の血かなw

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