第十五節 証拠を探せ
「ああ、クソ! 臭えな!」
ギュスターヴは、王都地下の下水道を歩いていると悪態をついた。
「オジキ、いい加減慣れましょうよ。クソの隣を歩いてんだから、臭くて当たり前っすよ」
フィリップは苦笑いを浮かべながら、不機嫌なギュスターヴの後ろを歩いている。
流れる下水は、糞尿、よくわからない生物の死骸、生ゴミ、上の生活から出たありとあらゆる汚いものが流れている。
「オレも初めの頃は、この臭いに吐きそうでしたよ。でも、アニキ達と仕事で来て慣れましたし」
「うるせえな。俺様だって、駆け出しの頃はしょっちゅう来たぜ。久しぶりすぎてこのひでえニオイを忘れてたぜ」
「そうなんスよね。冒険者の仕事って、意外と地味なの多いんすよね。思ってたのと違って、ビビりましたよ」
ギュスターヴとフィリップは、愚痴をこぼしながら歩いていた。
「なあ、おっちゃんたち、もう着いたよ」
そして、二人は先導していたボロボロの布の服をまとった子供に、声をかけられた。
ガリガリに痩せた小さく細い体に、フケと汚れでゴワゴワになった長い茶色い髪の毛、まだ幼い子供と言ってもいい年齢に見える。
「おう、ありがとな」
ギュスターヴはそう言うと、子供の黒く汚れた小さい手に銅貨を2枚渡した。
子供は不満そうに口をとがらせた。
「おっちゃん、足んねえよ。道案内料は
「ほう? 計算ができるのか。商売上手だな。ほらよ」
ギュスターヴは感心したように、追加で銅貨をさらに2枚渡した。
「へへ、ありがとよ、おっちゃん!」
子供は道案内料を受け取ると、満面の笑みで走って行った。
「この下水道って、ああいう子供がたくさんいるんスよね?」
フィリップは、走り去っていく子供の小さい背中を見ながら。暗い顔で呟いた。
ギュスターヴは、何でも無いことのように説明した。
「ああ、そうだな。この地下は、上では生きられない連中の別の世界がある。上の優雅な暮らしの歪みってやつだ」
「オレ、この街で生まれて育ったけど、知ってても気にしてなかったっす」
「まあ、普通はそんなもんだ。気にしてどうにかしようなんてヤツのほうが珍しいんだ。 ……おめえにも今やるべき仕事があるだろうが。行くぞ!」
「へ、へい! そうっすね、行きましょう!」
暗い顔をしていたフィリップは、慌ててギュスターヴについてはしごを登っていった。
目的地となる高級アパルトマンのすぐ近くに通じる出口へと。
話は、証人を全て失った夜に戻る。
スラム街にある潰れた酒場で、ギュスターヴ、ジャックは作戦を練るため話し合った。
しかし、決定打になりそうなものは、何も浮かんではこなかった。
「押忍! オジキ、旦那。紹介したい人がいるんスけど、いいっすか?」
フィリップが食料を抱えながら、笑顔で帰ってきた。
ギュスターヴとジャックは、お調子者のフィリップの方を見て顔をしかめた。
「おいおい、あんまり不用心なことすんじゃねえよ」
「そうですよ、これ以上問題が起こったら困りますよ」
「いや、お二人共、この人は……って、ちょっと待って下さいよ! まだ話が……」
フィリップが慌てて止めようとしたら、ドアが勢いよく開けられた。
ギュスターヴとジャックは、壁に立てかけていた剣を手に取り身構えたが、
「何グダグダ言ってんのよ! ここはアタシのもの何だから文句ないでしょ! ……あら? ギュスターヴじゃない」
ギュスターヴは、相手が自分の事を知っているようで、怪訝そうに眉をしかめた。
入ってきた女性は、全身に覆っていた地味な黒いローブを脱いだ。
相手がわかると、ギュスターヴは驚きで後ろにのけぞった。
「げ、お前はマルゴ!?」
エキゾチックなほんのりと浅黒い肌、黒みがかったまとめあげられた髪の毛、よく通った大きめの鼻筋に、大きな黒い瞳、真っ赤な口紅を差したふっくらとした唇、肉感のある体だが、ぴっちりとした滑らかなドレスの上からでもよく引き締まっていることがわかる。
「おや? ギュスターヴ殿、お知り合いですか?」
ジャックは不思議そうに首をひねり、ギュスターヴに訪ねた。
それでもまだ、この老執事は警戒して身構えたままだ。
「あ、ああ、まあな。まさか、お前の店だったのか」
ギュスターヴは驚きを隠しきれずに、動揺して立ち尽くしている。
マルゴは、そのギュスターヴをからかうように、くすくす笑った。
「ふーん、あんた最近お店に来ないから、死んじゃったのかと思ってたのよ? 常・連・さ・ん」
「うるせえな、忙しかっただけだ」
「へえ? あんたもちゃんとすれば色男じゃない。誘いに乗ればよかったかしら?」
マルゴは、挑発するようにギュスターヴに流し目を使った。
ギュスターヴは慌てて目をそらした。
「な、何くだらねえこと言ってんだよ!?」
「へえ? オジキと姐さんが知り合いだったなんて、知らなかったっすよ」
困るギュスターヴに、マルゴはからかい続けている。
フィリップはその様子を見て、楽しそうに笑った。
「ごほん!」
ジャックのわざとらしい大きな咳払いで、一同は黙った。
ジャックは無表情に冷たく口を開いた。
「それで、この御婦人のご紹介をしていただいてもよろしいですか、ギュスターヴ殿?」
「あ、ああ、わかった。 ……こいつはマルゴ。王都でも有名な酒場の踊り子だ。高級娼婦もやってはいるが、それ以上は知らねえよ」
「……ふむ。それで、この女性を連れてきたわけは何でしょうか、フィリップ殿?」
「へ、へい。実は、ここを貸す代わりにマルゴの姐さんも仲間に入りたいと……」
「何ということをしたのですか! この方が敵のスパイだったら、どうするつもりですか!」
ジャックが凄まじい剣幕で怒鳴ったので、フィリップは小さく縮こまった。
しかし、ジャックの怒りは静まることはなかった。
「ひぃ! す、すんませんっす!」
「ちょ、ちょっと待ってよ! アタシはそんなんじゃないって!」
「しかし、信用できませんね。このまま黙ってもらうしかなさそうです」
ジャックは、鋭い目つきで腰の剣に手をかけた。
「お、おい! 待てよ、ジャック!」
ギュスターヴは慌てて、ジャックの前に立った。
それを見て、マルゴはため息をついた。
「……ふぅ、しょうがないね。ワケを話すよ」
これを見て、ジャックは剣から手を離し、ギュスターヴとフィリップもほっと落ち着いたようだ。
そして、酒場内の壊れていない椅子に全員腰を下ろした。
「それで、アタシが何で仲間に入ろうとしているのか、っていうところからでいいかしら?」
マルゴが口を開くと、ちらりとジャックの方を向いた。
ジャックは無言で頷いた。
「それは、簡単な話、復讐したい相手がいるだけよ」
「その相手が私達の追っている相手と、どのような関係が?」
マルゴはジャックの問いに呆れた顔をした。
そして、懐からキセルを取り出し、タバコに火をつけ、一吸いした。
「はぁ? 何言ってんの、大ありじゃない。鈍いわね。その相手が、あんた達と同じ相手じゃないの」
「ええ、それぐらいは想像できますよ。ただ、はいそうですかと頭から信じてしまうのは軽率でしょう?」
「そうね。初対面の相手の言うことをいきなり信用する間抜けなら、アタシもあんた達と組もうなんて思わないわよ」
「でも、俺は姐さんを信用してるっすよ?」
「あんたはもうちょっと人を疑いなさい、おバカボン」
マルゴは火のついていたタバコを一吸いすると、フィリップに煙を吹きかけた。
フィリップは咳き込んだが、ジャックはこの煙を気にもせず口を開いた。
「あなたが復讐したい相手が、私達の追っている相手と同じと仮定しましょう。私達があなたと組むメリットはあるのですか?」
「大ありよ。アタシの情報網をナメちゃいけないよ。ベッドの上で男たちを楽しませれば、べらべらと無防備に何でも話してくれるんだから」
「そうか。その情報なら間違いはなさそうだな」
「な!? ギュスターヴ殿?」
ギュスターヴの発言に、ジャックは信じられないような目で見た。
ジャックが何か言おうとしたが、ギュスターヴは手で上げて制した。
「まあ、落ち着けよ、ジャック。いいか、高級娼婦ってのは、相手にしてるのは貴族のお偉いさんたちだぜ? 大体のやつは、国レベルの機密情報を持っていてもおかしくないレベルのな。だが、そんな連中も下心を利用されたら、無防備に何でも喋っちまうもんだ。かなりやばい情報だとしてもな。もちろんその中には、俺達の欲しい、核心に迫った情報もあるだろうぜ」
ギュスターヴの説明に、マルゴは同意するようにクスクスと笑った。
「ふふ、よくわかってるわね、ギュスターヴ。さすがは元近衛騎士ね。あんたも同じ手口を使って出世したのかしら? 若い頃のあんたなら、有閑マダムにモテそうだわね」
「け、バカ言ってんじゃねえよ。だが、よく俺様が近衛騎士だったこと知ってたな?」
ギュスターヴは、昔のことを思い出したくなさそうに顔をしかめたが、マルゴの情報網には驚いているようだ。
「ええ、噂話でね。以前のただの酔っ払いなら信じられないけど、今のあんたなら信じられるわ。名前だけの騎士が多い中で、あんたは『爆炎剣』のギュスターヴなんて呼ばれて、本物の凄腕だったらしいじゃない」
「ふん、昔の話だ」
マルゴは笑いながらギュスターヴをからかい、ギュスターヴは少し恥ずかしそうにそっぽを向いた。
少し苛立ったようにジャックが咳払いをした。
「それで、何が言いたいのです?」
「ああ、つまりはガセネタはねえってことだ」
「ふふ、そういうこと」
マルゴは笑いながら、またタバコを一口吸った。
ジャックは少し考え込むように、足を組んで顎に軽く手を当てた。
「……それで、その情報と引き換えに、貴女は私達に何を望むのです?」
「ただの善意、じゃ信用しないでしょうね?」
「ええ、もちろん」
「なら、対価は確実にその男を潰してもらうことと、あとは凄腕のギュスターヴに、無条件で別の仕事をしてもらおうかしら」
マルゴは意地悪そうに片方の口角を上げてギュスターヴを見た。
ギュスターヴは嫌そうにため息をついた。
「……ふぅ。一度だけならいいぜ」
「ギュスターヴ殿!?」
「オジキ!?」
フィリップとジャックは、驚いて目を見開いてギュスターヴを見た。
自分で条件を出したマルゴですら、ギュスターヴの答えにほぅと驚いた顔をしてみせた。
「へえ、いいの? どんな無茶な要求をされるのかわからないのよ?」
「ああ、どっちにしろ、お前に頼るしかなさそうだからな。ただし、身内に関わる仕事はやらねえぞ」
「……ええ、それでいいわよ。これで、取引成立かしら?」
「ああ、そうだな」
そう言うと、ギュスターヴはマルゴの差し出した手を取った。
交渉は成立したように見えた。
「あなた方はそれでよろしいのでしょうが、私はまだ納得していませんよ」
ジャックは二人に口を挟んだ。
冷たい視線のままのジャックに、マルゴは挑戦的に見下ろすように見返した。
「あら? あなたは何が欲しいの? アタシが出せるのは情報か、この体ぐらいよ?」
マルゴは挑発するように体をくねらせた。
ジャックは不快そうに目を逸らした。
「……別に、体目当てではありませんよ。せめて貴女の動機ぐらいは、知りたいですね。どうして、その男に復讐したいのか? それぐらいは聞かないと、少しも信用できませんよ」
「へえ? その程度でいいの? 嘘つくかもしれないのよ?」
「ええ、構いませんよ。私は嘘かどうか、ある程度なら見抜くことは出来ますから。嘘をつけば、その時点でこの話はなかったことにします。もちろん、動機次第では仲間として認めます」
マルゴはジャックの目を見ながら、黙って何かを考えているようだった。
ジャックの意思が変わらないところを見て、諦めたように口を開いた。
「……まあいいわ、話すわよ。長くなるけどいいかしら?」
「ええ、私は構いません」
マルゴは新しいタバコをキセルにつめ、火をつけた。
「アタシは、元は隣国のネーデルランドの商人の娘でね、この国の名のある貴族に嫁いできたの。でも、相手は爵位が立派なだけの貧乏貴族、アタシの父親の財産目当てはバレバレね。父親は父親で、大国の貴族たちとコネが出来たから、いい取引だったのでしょうね。でも、ある時アタシの父親が事業で失敗して、財産をすべて失った。それで、アタシもその男に捨てられて、お決まりのコースってわけ。これぐらいなら、どうという話でもなかったわ」
マルゴは話を区切ると、タバコを一吸いした。
「アタシはね、捨てられる前に、あの男の子供を身ごもっていたわ。あんなクズとの子供でも、自分のお腹の中にいると思うと愛おしく思ったわ。アタシは別れたくないとすごい剣幕で詰め寄ってしまったの。あの頃のアタシは、外の世界で生きる方法を知らなかったしね。でも、あの男に階段から突き落とされて、その子はそのまま死んだわ。そして、アタシは二度と子供の出来ない体にされた」
「それが、動機ですか?」
ジャックが無表情で口を挟んだが、マルゴは何も答えなかった。
ジャックはそれを肯定と取ったようで、マルゴは話を続けた。
「……その時は、復讐しようなんて全く思わなかったわ。ただ、嘆いて悲しんだだけ。世間知らずの弱い小娘だったわ。でも、そんなアタシも運良く聖教会に保護されてね、奉仕活動に励んでいたのさ。だけど、ある時見てしまったのよ。あの男が新しい女と生まれたばかりの子供を連れて、幸せそうに歩いているのをね!」
マルゴはキセルを指の先が白くなるほど強く握りしめていた。
マルゴは気持ちを落ち着けるため、少し手を震わせながら、もう一吸いして話を続けた。
「それからのアタシは聖教会を出て、復讐に生きたわ。アタシの唯一持っていた女の武器を使ってね。この時だけはクズな父親に感謝した。遠い異国の美しい母親を選んでくれたことにね。貴族の男に売るために、子供の頃から教養を仕込まれたことも助かったわ。そうじゃなかったら、高級娼婦にはなれなかったわよ。アタシはずっと、あの男を潰すネタを探してきたの」
マルゴはここで話を止めた。
ジャックは話が終わったことを理解し、考えるように自分のアゴを親指で軽く撫でた。
「貴女の動機はわかりました。ですが、その男がこの事件の黒幕という証拠はあるのですか?」
ジャックは冷静にマルゴに問いかけた。
そのジャックの質問に、マルゴは当然とでも言いたいように、鼻で笑った。
「ええ、あるわ。アタシは高級娼婦をしてきたと言ったでしょ? いくらでも、貴族の男たちのくだらない寝物語にも付き合ってきたわ。すぐにわかったのは、アタシの父親が財産を失ったのは、あの男が仕組んで根こそぎ奪うためだって。今なら、少し考えれば簡単にわかることだわ。そして、ある時聞いてしまったの。最初は噂の噂程度の話だった。詳しい話を聞いていくと、その同じ男が新しい何かを企んでいるって」
「それが、第二王子の暗殺か」
ギュスターヴがポツリと呟いた。
マルゴはクスッと笑って、頷いた。
「ええ、そう。正直言うと、アタシはこの国がどうなろうと知ったことじゃないわ。ただ、あの男の思惑を邪魔して復讐できればいいの。それが、あなた達と組む理由、利害関係は一致してるでしょ?」
マルゴはジャックを見据えた。
ジャックは納得したように同意した。
「ええ、そうですね。私たちはその黒幕を突き止めることができればいいし、貴女は同じ相手に復讐できればいい。利害は一致しています」
「だけどいいのか? 高級娼婦はいい暮らしが出来るんだろ? その暮らしを捨てる気か?」
マルゴはギュスターヴの質問を一笑に付した。
「まったく、あんたは相変わらず下世話だね。アタシは贅沢に着飾るよりも、母親になりたかったのよ?」
「う!? す、すまねえ」
ギュスターヴはギクッとして、とっさに謝った。
マルゴはそのギュスターヴを見て、小馬鹿にするように甲高い声で笑った。
「アハハハ! あのクズの酔っぱらいのギュスターヴが謝るなんて。変わったわね。何があったの?」
「べ、別に何でもねえよ!」
ギュスターヴが赤くなって慌てているのを見て、マルゴはまた笑った。
「ふふ、じゃあ、いいこと教えてあげる。この国、もう長くないわよ」
「え!? それって、どういうことっすか!?」
フィリップが話に入ってきた。
「そのまんまの意味よ。この王都の優雅な暮らしに、各地で不満はいっぱい。王都から離れた領地では、諸侯たちが王や宰相のやり方が気に入らなくて、虎視眈々と玉座を狙ってるわよ。それに、王都内にもそういう連中がいるのよ」
「それぐらい、いつの時代も変わらないでしょう?」
ジャックは冷静に聞き流している風を装っているが、背中には冷たい汗が流れた。
マルゴは、ポーカーフェイスを気取っているジャックを鼻で笑うように話を続けた。
「これだけ、ならね。でも、もうすでにこの国の金庫は空っぽよ。とっくに、世界的な金貸し組織『シオンバンク』に借金まみれ、それでも、王宮では誰も気づかないふりして贅沢に遊び呆けているわ。今までは他の国に戦争を仕掛けて、賠償金で賄ってたけど、これももう無理。他の国も似たような状況なのよ。どこでも、無いところから搾り取って、その集めたものは湯水の如く散財しているわ。だけど、王都の外ではそのおこぼれにすら与れない。王都の支配者階級は、今を楽しんで、後の世代にツケを回している状態よ。これをもう何十年も続けているのよ。一体いつ、そのツケを払う時が来るのかしら?」
マルゴがクスクスと笑うと、一同はツバを飲み込んだ。
「そ、それはわかった。でも、まだ黒幕に辿り着く証拠の話をしてねえだろ?」
「ふふふ、それは、あの男が囲ってる愛人のアパルトマンに一つと、第七王子の従者だった男をさらに辿れば出てくるわ」
「チッ! もったいぶった言い方だな?」
ギュスターヴが文句を言うと、マルゴは真面目な顔をしてたしなめた。
「贅沢言わないの。アタシも危ない橋を渡るんだから。ここからは、手足で動くあんたたちに任せるしか無いのよ」
「ああ、わかったよ。それで結局、黒幕ってのは何者なんだ?」
「ええ、それは……」
ギュスターヴとフィリップは、下水道の外に出て、物陰に隠れた。
マルゴの情報通りの、高級住宅街の高級アパルトマンの前だった。
マルゴに頼まれたスラム街や地下の住人たちは、追手が来ないように捜査班の協力をしてくれた。
金さえ払えば、裏の道案内やスラム街のアジトには、外からの不審者は近づけなかった。
彼らは出すものを出せば、非常に協力的だった。
黒幕の愛人が部屋から出て、馬車に乗り込むのを見計らうと、二人は部屋に忍び込んだ。
そして、証拠を無事に見つけた。
ジャックもまた同じように、下水道を通って、もう一つの証拠を探しに行った。
第七王子の元従者、ジャン・モンテスキューの家に忍び込み、もう一つの証拠を見つけた。
マルゴに教えてもらった情報のとおりに、ギュスターヴ、フィリップ、ジャックの捜査班は証拠を集めた。
・・・・・・
これで、すべての準備が整った。
さあ、ショーの幕開けだ!
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