鼓動が漏れないように膝を抱えこんだ

ラジオからの叫びは　ただの音ではなかった

空になったビールは　何の意味もなくなってしまった

頭の奥には冷たいものが確かにあって

心臓は膨張し　縮小し　膨張し　

まもなく胸を破るかもしれない　　　　　

たったひとつの歌なのに　全身はまみれてしまい

声だけがぐるぐると廻ってゆく

やがて冷たい一点が解けだして

硬直した指先に　しびれとなって到達す

やっとひとつ息をして　部屋の隅から立ち上がる

私は

何かをしなければいけないと思った

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい