第4話 公園だとよく寝れる

数時間後

「バッキャロー!61銀だろそこは!」

「んなわけねえだろ!62金じゃ!」

確か……去年の竜王戦で負けた試合の棋譜を見てて……。覚えてないや。棋譜を見てあーだこーだ言い合った所までは覚えている。その後目が覚めたら俺たちは公園のベンチで寝ていた。ホームレス……


「よぉ、起きたか」

確か俺の方が先に起きた。

「よぉ、親友。ここどこだ?」

「見ての通り公園だな。そして時刻は午前6時。そして俺らは2人ともやすみ」

「ってことはしばらく寝れるな」

「寝ねえよ!」

なぜそうなる!桂馬よ!

「休みだろ?もう一睡くらいしてもバチは当たらん」

当たりやがれ。たとえ神がそうしなくても俺がその"バチ"とやらをお前の後頭部目掛けて投げてやる。

「冗談冗談。帰るぞ。朝飯食ってから」

「そうだな」

さっきから腹の虫が限界みたいなんだ。ちょうどいい。すぐそこにコンビニが見えるし。


そんなわけで優雅に公園でコーヒー片手にサンドウィッチを頬張った。公園で朝食とかほとんどのやつはしたことないだろ。1回やってみろ。キャンプ気分が少し味わえるぞ。

あ、忘れてた。俺が消えるまで一日を切ったな。俺は今日、この日、この世界から姿を消した。

そんなことになろうとは全く思いもせず、この時の俺は優雅にモーニングコーフィーを味わっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『竜王』という称号は異世界にもあるようで…… 鈴木 那須 @kanade0625

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ