第2章―戦いの砲火―5
――ババババッ、ババババッ。
地上からは今だに乾いた銃声の音と、空中からは無数の爆撃音が本部の地下深くまで響き渡った。基地にある地下のフロアにパイロットの待機室があった。3人の少年達はそこにいた。
彼らは色違いの軍服をそれぞれ身に纏っていた。そして、そこで誰かを待ってる様子だった。見た目からそんなに年もいってないような若い少年達だった。そのうちの一人は見た目から幼く、背が低かった。そしてあどけない可愛らしい顔をしていた。ピンク色の髪をしたショートヘアの少年が落ち着かない様子で辺りをウロウロしていると、長い椅子に座って本を読んでいる少年に何気無く話しかけた。
「美岬、美岬! 何だかさっきから外が凄い騒がしいよ? 上で一体、何が起きってるのかな?」
ピンク頭の髪色をした少年が立ちながら話すと、そのまま紫色の長い髪をした少年の近くへと近寄った。
少年は肩ぐらいまで髪を伸ばしていた。そして、見た目はクールな顔立ちで大人びた印象だった。少年が近くで立ち止まると、長椅子に寝そべって赤い本を読んでいる少年の方に目を向けた。美岬と呼ばれる少年は本を読みながら一言答え。
「どうせまた『戦争』だろ。それ以外に何があるて言うんだよ結人?」
ピンクの髪をした少年の名前は
結人は彼の切り返しの言葉に少しムッとした。美岬は読んでいた赤い本を閉じると、ふて腐れている結人の方に目を向けた。そして、寝そべっていたベンチから起き上がると、両目を細めて一言呟いた。
「うわ~、凄い顔……。つーか、ブサイクだな」
美岬は意地悪そうに言うとクスッと笑った。結人は彼の何気無い言葉に反応すると、ムキになって言い返した。
「酷いよ美岬、今のは少し言い過ぎじゃないか!?」
結人は自分の頬っぺたを膨らますと、怒った表情で彼に詰め寄った。
「ははははっ、ゴメンゴメン! だって今の顔はマジで可笑しくてかなり笑えたぞ!?」
そう言うと自分の唇元に手を当てて、結人の前で悪戯に笑いを堪えた。
「なっ、美岬……!? それは笑い過ぎだよ! も~、いつまでも笑わないでよ!」
結人は急にムキになって怒ると、彼に近づいて両手でポカポカ攻撃をして叩いた。
「バカ、やめろよ! 叩くのマジ禁止!」
そう言って美岬は結人の手を掴んで押さえた。
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