第15話 最終決戦
「ちょっと待て。このままでは分が悪い。もう1つスキルを授けにきた。
ゲートの封印ご苦労であった。他の国に出来たゲートはなんとか全て閉じてきた。ここが最後の穴となる。この穴はさすがにデカすぎてどうにもならんから、お前らに任せる。今、一番必要なのスキルはこれであろうな。」
女神メリーナが降臨し、スキルを授けてくれた。
限界突破のスキルを得た。
ステータスが999で頭打ちになっていたが、このスキルのおかげで上限が開放された。
力がみなぎってきた。
「改めていくぞ! 姫、インフェルノをぶちかませ!」
2人でインフェルノを放った。
着弾点の数百mの範囲のすべてが燃え尽きた。
大地すら熱量で解け、溶岩のようになっている。
封印していたメテオストライクも打ち込んだ。
熱のインフェルノ、隕石による物理攻撃のメテオストライクで魔物たちが消えていく。
交互に連打し、魔物の数を減らしていく。
それとともに莫大な経験値が入ってきてレベルが上がっていく。
さらに強くなっていく。
その時、日本全土が地鳴りとともに揺れた。
最後の戦いを予想し待機していた報道ヘリがこの地獄絵図を実況中継した。
そして、残ったのが魔法にも物理にも耐性の高いドラゴンのみ。
「よし、残りはドラゴンのみだ。いくぞ!」
エリーゼの矢がドラゴンの目に突き刺さった。
片眼を失ったドラゴンは怒り狂い吠えた。
流石に目は防御力が低かった。
ドラゴンが大きく息を吸い込んだ。
「姫、エリーゼ、ブレスが来るぞ!」
ドラゴンの口から炎と雷が混ざったレーザー砲のようなブレスが放たれた。
横に大きく飛び回避した。
着弾したところには大きな穴が開いていた。
これを食らったらさすがに命は無いだろう。
そして翼があるので飛ばれると厄介だ。
まず、動きを止めることから始めることにした。
爬虫類っぽいので寒さには弱そうだ。
ブリザードで凍らせてみた。
足が凍り付き動けなくなった。
ブレスで溶かそうとしていたのでアッパーカットで口を閉めさせた。
再度ブレスを吐くため大きく息を吸い込んだ瞬間にインフェルノを口の中に叩き込んだ。
腹の中でインフェルノが爆発し、大ダメージを与えることができた。
藻掻き苦しんでいる隙に背後に回り、ドレインタッチ。
HP、MPを大幅に吸収し、俺は満タンとなった。
聖剣エクスカリバーに魔力を充填し、攻撃力をUPしていく。
剣が輝き出した。
ドラゴンに向けて剣を構え、集中する。
攻撃力を最大限に上げ、ドラゴンの首を斬り落とした。
これで全ての戦いが終わった。
そして、全力で穴を塞いだ。
報道を見て戦いが終わったことを知った国民は平和を取り戻したことを喜んだ。
しかし、俺たちの兵器を超える力に怯えた。
国は俺たちをどう取り込もうかとか会議を繰り返し、世界は日本が力を得てしまったことを恐れた。
世界のバランスが狂ってしまった。
俺は姫を守るために強くなった。
世界を守ったのはついでだ。
これから俺たちは国に監視されるだろう。
とても生活しにくくなってしまったのは事実だ。
平和を取り戻したというのに姫と不安になっている。
すると再び女神が降臨した。
「ご苦労であった。今後のことを相談しにきたのじゃ。この世界ではお前たちの力は異質だ。暮らしにくくなるだろう。そこで提案なのだが、わらわが管理するもう一つの世界、そうゲートの向こうの世界に転移しないかと誘いにきた。その際にはこの地球に残る魔力を全て取り除き、二度とゲートがつながらないようにする予定だ。その魔力を使いお前たちを転移させる。考えてみてくれ。」
「俺は姫さえ居れば問題ない。もうこの世界には家族もいないし、未練もない。」
「私は隆ちゃんと一緒ならどこでも大丈夫よ。」
「私はこの世界が気に入ったのだが、エルフが残るわけにはいかないだろう。」
「では、3人とも転移で良いな。今のステータスとスキル、レベルはそのまま転移できるから向こうに行ってもすぐに死ぬことはないだろう。向こうで新たな人生を送ってくれ。」
魔力が上空に集まり出した。
どんどん大きくなり、もう一つの太陽ができたようだった。
「準備はいいか? 転移を開始するぞ。」
「荷物は全てインベントリに入っているので問題ない。」
「では、いくぞ。」
眩しさで目が開けていられなくなった。
再び目を開けるとそこは知らない風景が広がっていた。
「ここはゲートでつながっていた世界、イルマだ。魔法と剣のファンタジーな世界。魔物と人が共存できず争っている世界。そして、魔王の存在する世界だ。お前たちに使命はない。ちなみに種族はエリーゼと一緒のエルフにしておいた。長寿種なので、第二の人生を幸せに、そして長く過ごしてくれれば良い。ついでに魔王を討伐してくれても良いぞ。好きに生きてくれ。」
「わかりました。メリーナ様、ありがとうございました。」
「ゲートがつながってしまったのは、わらわの失態じゃ。お詫びということにさせてくれ。」
そう告げて、メリーナは去っていった。
「姫、とりあえずどうしようか? 町を目指そうかね。そうだ、エリーゼの住んでいたところに行ってみよう。エリーゼ、案内よろしくね。」
そして、3人のエルフは幸せな人生を送ったのだった。
~ The end ~
こんな世界になってしまったが、お前だけは俺が守ってみせる 蒼い空 @sky_blue
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