第11話 エリーゼ
とにかくオークはうまい!
通常オークはバラ肉、ジェネラルはモモ肉とロースだった。
そしてキングは、極上のロース、ヒレ、バラ、モモだった。
ミノタウロスは牛肉だ。
霜降りではなく、赤身肉という感じだ。
エリーゼは余程空腹だったのか、肉をモリモリ食っていた。
落ち着くまでしばらく待つことにした。
「私の名はエリーゼだ。察しの通りエルフだ。助けていただき感謝している。ここは私の住んでいた世界とは違うと言っていたが、エルフの森でもメープル王国でもないということか?」
「はい。というより異世界です。この星というか世界にはメープル王国もエルフの森もありません。君の世界とこちらの世界がゲートで結ばれてしまい、君は巻き込まれてこちらの世界に転移してしまったということです。そしてゲートは一方通行で戻ることができないそうです。こちらと文化自体が全く違うと思うので私たちがお世話しようと思ってます。」
「そうか、戻れないのか。申し訳ないが世話になりたい。私は冒険者で魔物を狩り売って生活をしていた。ダンジョンを攻略中に穴に吸い込まれてしまった。何か私にできることがあれば何でも言ってくれ。」
「私たちはゲートから溢れてくる魔物を討伐し、穴を塞ぐ旅をしています。その手伝いをお願いします。衣食住の方は安心してください。姫、これでいいよね?」
黙って聞いていた姫が突然立ち上がって、
「りゅうちゃんは、私のりゅうちゃんなんだからね! りゅうちゃんは私のおっぱいが大好きなんだから! 誘惑したらダメだからね!!」
胸を張って強調しながら鼻息をフンと興奮気味の姫に若干引きぎみのエリーゼが、
「おおう、了解した」と答えた。
「事実なので否定はしないが、恥ずかしいので止めてください。お願いします。」
顔が赤くなってしまったじゃないか。
エリーゼには弓と魔法で姫と一緒に後衛からの援護をお願いすることにした。
今後は3人パーティでゲートを塞ぐ旅に出る。
エルフ耳は精霊の力を借りれば隠すことができるらしい。
でも俺の勇者パーティであればエルフを連れていても問題ないだろう。
すでにワイバーンに乗っているわけだし。
その後、風呂の説明をしたが理解できていないようなので姫がいっしょに入ることになった。
タブレットを使って買った着替えの服と下着を渡した。
姫が私のおっぱいにひれ伏すが良いと言いながら二人で風呂に行った。
超ハイテンションで戻ってきたエリーゼとは反対に姫がorzの格好で落ち込んでいた。
芸術的だったらしい。さすがエルフだ。
「エリーゼはこの部屋を使ってくれ。姫は俺と一緒がいいよね?」
「りゅうちゃんと一緒の部屋でも別に構わないよ? うそ! りゅうちゃんと一緒がいいよ」
ツンデレですか!
次の日の朝、エリーゼは食事、服、風呂、布団が気に入ったらしく、もう帰れないくてもいいやと言っていた。
部屋に新しいドアが出来ていたのでそっと覗いてみるとシアタールームが出来ていた。
ゲートの封印が終わったら3人で映画でもゆっくり観ようと思う。
『ティア、次の現場の検索よろしく~』
日本にはあと3つのゲートが残っている。
東京、大阪、北海道の3か所だ。
大阪→東京→北海道の順に攻略していく。
まずは大阪に向けて出発だ。
今日から3人で乗るため、シャナには一回り大きくなってもらった。
姫を俺が後ろから抱きかかえ、エリーゼが俺を後ろから抱きしめる感じで乗ることになった。
残念ながら背中に当たるはずの柔らかさは感じなかったが言ったら殴られるので黙っていることにした。
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