第2話 ステータス

我が家までもう一駅分の距離がある。

雨が上がってよかった。

しかし、徐々に魔物との遭遇率が上がっている。

おそらく、ゲートからどんどん魔物があふれ出しているのであろう。

不意打ちが怖いと思うとスキル気配探知を獲得した。

姫にもレベアップさせるためにゴブリンを瀕死の状態にしてからトドメを刺させた。

やはり姫にも脳内にアナウンスが流れたそうだ。

加護が得られたのは俺だけだったようだが。

パーティが組めないかと考えるとパーティ編成というスキルが得られた。

姫とパーティを組み、経験値配分は均等に設定した。

姫が突然やっぱりできたと叫んだ。

何がと聞いてみると、ステータスオープンと唱えるとステータス画面が表示されるらしい。

俺もステータスオープンと唱えてみる。


*ステータス

 名前: 桜井 隆司

 性別: 男子

 年齢: 16歳

 体型: 176cm、60kg

 レベル: 5


 HP(最大生命値): 100

 MP(最大魔法値): 25

 STR(攻撃力): 80

 DEF(防御力): 30

 AGI(敏捷性): 30

 DEX(器用): 30

 幸運: 100


 スキル

  鑑定、身体強化、気配探知、パーティ編成

  

 ユニークスキル、加護

  創造神の加護、クリエイト(想像した能力がスキルになる)、成長促進


加護によってクリエイトと成長促進というチートスキルを得たらしい。

次々とスキルが得られるのは加護のおかげだったようだ。

流石に傘がボロボロになり曲がってしまったので、そろそろちゃんとした武器がほしい。


『錬金術と鍛冶を獲得しました』


近くにあった壊れた標識を拝借し、錬金術で金属の塊に変え、鍛冶スキルで短剣を作った。

一応、姫にもナイフを持たせた。

銃刀法で警察に捕まりそうだが、この状況なら許してくれるだろう。

短剣を何度か振り下ろすと、剣術を覚えた。

スキルを獲得すると今まで剣など握ったこともなかったのに扱い方が分かるようになるのが不思議だ。

ゴブリンが複数で現れるようになり、また武器を持っている個体が増えてきた。

スキルのおかげで戦闘は楽になったが複数の敵を相手にするのは厄介だ。

姫も俺の後ろに隠れながらナイフでチクチク刺して戦闘に参加している。

魔法が欲しい。

そう思った途端、火魔法を覚えた。

ファイアウォールを唱えると周囲に炎の壁が現れた。

周囲を囲んだゴブリンたちは炎に巻かれ、次々と光となって消えていった。

不思議なことに自分の炎は熱くなかった。

姫も熱くないようだ。

フレンドリーファイアの心配は無いようだ。

戦闘が多いため中々先に進めない。

気配探知でなるべく魔物を避けて家を目指す。

魔物が増えてきた分、道端で息絶えている人の数も増えてきた。

精神耐性を獲得したので少し楽になったが、姫はどうしているのだろうと心配になった。


「姫、大丈夫か? 辛くないか?」


顔色が悪く、相当我慢しているのが分かる。

姫のステータスを見せてもらった。


*ステータス

 名前: 佐藤 姫香

 性別: 女子

 年齢: 15歳

 体型: 147cm、40kg、B85、W58、H86

 レベル: 5


 HP: 50

 MP: 100

 STR: 50

 DEF: 30

 AGI: 30

 DEX: 80

 幸運: 100


 スキル

  なし

  

 ユニークスキル、加護

  なし


体重と3サイズまで見えてしまったのは内緒にしておこう。

姫にスキルをコピーしてあげられないかと考えるとスキル付与を獲得した。

鑑定、身体強化、気配探知、精神耐性をとりあえず付与した。

すると姫の顔色が良くなり安心した。

魔石を拾ってバックに詰めてきたが重くなって邪魔になってきた。

アイテムボックスのような収納魔法が欲しいと考えるとインベントリを獲得できた。

荷物を全部収納し、身軽になった。

再び姫を抱え走った。

レベルも上がってきたためスピードが上がっている。

おそらく自転車での全速力程度までは速く走れていると思う。

まもなく家が見えてくるはずだ。

すると家のそばに2mほどのブタの頭をした2足歩行の魔物がいた。

鑑定してみるとオークらしい。

ファイアボールを顔に当て、目くらましになっている間に首を切り落とした。

光りとなって消えると魔石と肉の塊が残っていた。

所謂、ドロップアイテムというやつらしい。

鑑定するとオーク肉、非常にうまいと出たので食えるらしい。

肉をインベントリに収納して家に向かった。

玄関が破壊されている。

嫌な予感がし、走った。


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