最終犯 指名手配犯の正体

◇指名手配犯視点です。本編どうぞ!


「早く家に帰ってワンマン教師の続き見なきゃ! 今日はいよいよ教師が粛清されるって話だからな。楽しみだなぁ〜」


「あのぉ〜すみません」


「え? はいはい! えっと......どうされましたか?」


「あのですね。交番の場所を聞きたいのですが、さっきから誰も教えてくれないのですよ」


 どうせ君も手配書を見て逃げるんだろうなぁ......


「交番でしたら......この十字路を右に進んでそのまま真っ直ぐ進んだ後に、さらに右に曲がればすぐですよ!」


 え? 教えてもらえた!? 教えてもらえたぁぁぁ!


「うぅぅぅ......やっと......やっと! 教えてもらえたぁぁぁ! うれしい......うれしいです......ありがとう! 本当にありがとう!」


「そんなオーバーな......泣くほどでもないでしょ。だって道を教えただけですよ?」


「今まで2人ほどに道を尋ねたのですが、2人とも......逃げてしまいましてね......」


「え? 一体どうしてですか?」


「そこにある......手配書が原因だと思うのですが......」


「え? 手配書......え? ああああああああ! 手配書と同じ顔やんけ!? たちけてええええええ!」


「いやこれは違うんだって......」


 もういいや......とにかく! これでようやく、交番に行ける! 長かった......なんで交番に行くのに......ここまで苦労しなきゃ......とにかく急ごう!


「あれ? あの人......どこかで? アワワワワワワ! 交番に貼ってあった指名手配犯だ! うわぁぁぁぁぁぁ!」


 今の人......私を見た瞬間逃げていったぞ......もしかして......あの人も指名手配のアレを見て......一体どこまでアレが貼られているんだ? とにかく急いで交番に行かなくちゃ!




「婆(ばあ)さんや! あれ......そいつは確か交番に貼られていた......」


「爺(じい)さん! 忘れたのかい! 報奨金1000万の超級犯罪者!」


「そいつが小学校の前で何かやっているのだが......まさか! この学校が次の標的なのか!」


「流石莫大な報奨金を掛けられるだけある。何もできない子供達をターゲットにするとは。鬼畜の所業にも程がある!」


「婆さんやあ......さっさと警官に連絡した方がいいと思うのだが......」


 なんだろう......あそこの人達......めっちゃ私のこと見てくる。まさか、あの人達も手配書を見たから......


「違うんですよ! 私は犯罪者ではないです!」


「婆さんやあ.......こっちに向かって何か言っておるぞ」


「爺さん。きっと『お前らも殺すぞ』と言っているんじゃ......」


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


 ダメだ。分かってもらえない......とにかく交番に急ごう!




[数分後]


 よかった! やっと着いた!


「ん? あなた! もしかして指名手配の!?」


「そうです。その指名手配の件についてきたんです。私は本庁から来た警察官です」


 警察手帳を見せたら態度が変わった。指名手配書はすごいなぁ......


「え? 警察官? でもあの指名手配書......」


「あの指名手配書はですね。私と同僚が冗談で作ったものなんです。それが何かの手違いで各交番に送られちゃって......ここの交番以外は連絡がついたのですが......それで直接ここに訪れたわけなのです!」


「あっ、そういうことでしたか! ただ......大変申し訳ないのですが......既に手配書は町中に......」


「それで......ここに来るまでに酷い目に遭いましたよ」


 これで私が起こした騒動は終わりだ! 次は気をつけよう。そうだ! 少し町を観光してから本庁に帰ろうかなぁ〜。




[一方その頃]


「あ! もしもし! 大変なんです! この町に......指名手配されてる超大量殺人鬼が! とにかく急いで来てください! さっき......学校周辺をうろついていたんです! もしかしたら......次のターゲットを!」


「なんだって! わかりました! すぐに特殊部隊を......学校周辺に! 急げ!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

あとがき

 とりあえず、これでこの短編は終わりです。皆さんどうでしたか? (あとがきここに書いてよかったのかな?)

 カクヨムでは主に短編とかを公開しているので良かったら見に来てください! (小説家になろうというサイトにも投稿しているけどね)

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手配書と指名手配犯 まちゃかり @macyakari

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